<春に挑む・’20センバツ創成館>チーム力/1 多彩な投手陣、磨く直球 /長崎
センバツ出場決定から一夜明けた1月25日、諫早市の市営第2野球場で、創成館野球部内の紅白戦があった。昨秋の九州地区大会やその県予選と同様、投手陣は継投で試合感覚を磨いた。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 選手88人中25人という厚い投手層がチームの武器の一つだ。右腕、左腕、上手投げ、下手投げ――。相手に応じて多彩な持ち味の投手たちがマウンドに立ち打者の目を慣れさせない。県予選では6試合で延べ20人が登板し、九州地区大会も3試合すべてで継投した。 ピッチャーリーダーの近藤大地選手(2年)は「試合の8割を決めるのは投手」と語る。副リーダーの藤川力也(同)、坂口英幸(同)の両選手と投手陣をまとめる近藤選手は、練習への取り組みが甘いと感じれば、同級生にも「グラウンドから出ろ!」と叱咤(しった)。厳しい姿勢で日々の練習に励む。 稙田(わさだ)龍生監督が「失点を抑えた勝ち上がりに最も貢献した」と信頼を寄せるのは、白水巧選手(2年)。県予選は5試合に登板し無失点。七回コールドで鹿町工を降した準決勝は、一人で投げ切るなど粘り強さも見せた。ただ、選手間の競争は激しく、白水選手も「メンバーに入れるかプレッシャーがある」と気を引き締める。 全国の強豪との対戦を前に、投手陣が課題に挙げるのが球速。「全員球速5キロアップ」を目標に掲げ、トレーニングを積む。紅白戦でも変化球が多かった配球を見直し、「直球勝負」を重視。藤川選手は「球威が上がり、失点も少なくなった」と手応えを語る。九州地区大会では登板の機会がなかった近藤選手は、制球力アップのため横手投げから下手投げにフォームを変え「成長した姿を皆に見せたい」と意気込む。 センバツのマウンドに立つため、選手たちは練習が終わった後も、寮での体幹トレーニングなどに余念がない。センバツ開幕まで1カ月余。切磋琢磨(せっさたくま)は続く。 ◇ ◇ 3月19日に阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕する選抜高校野球大会に創成館(諫早市)が出場する。チームの特徴や歩みなどを紹介する。 〔長崎版〕