神村学園の勢いが止まらない!静岡学園も無失点で撃破し準決勝へ
7月31日、令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)準々決勝が行われ、JヴィレッジP1の第1試合で神村学園(鹿児島)が3-0で静岡学園(静岡)を下し準決勝に駒を進めた。 【フォトギャラリー】静岡学園vs神村学園 ここまでの3戦を21得点無失点と相手を寄せ付けない強さで勝ち上がってきた神村学園と、全試合1点差以内と接戦を勝ち抜いてきた静岡学園。プレミアWEST勢同士ではあるが今大会は対照的な戦いをしてきた両チーム。今年のリーグ戦での両チームの対戦はFW14名和田我空(3年)のハットトリックの活躍もあり、4-3でホームの神村学園が勝利していた。 試合は5分にMF9大成健人(3年)のシュートがクロスバーを叩くなど、序盤から神村学園がペースを掴む。すると8分、名和田の蹴った左CKが弾かれたところを拾ったFW12徳村楓大(2年)が左ボレーでネットに突き刺した。 幸先よく先制した神村学園はその後も名和田が2回の決定機を迎えるなど、追加点を狙ってゴールに迫ると、29分に中盤で名和田が倒されてFKを獲得。ここから早いリスタートで相手の隙をつくと、MF10福島和毅(2年)からスルーパスを受けた大成が切り返しでDFを外し、カットインから右足でゴールを射抜いた。「ああいうところは狙っていて、個人で自由にやっていいと言われているので、決められて良かった」とゴールを喜んだ大成の貴重な追加点で、静岡学園を突き放した。 そのまま2点リードで後半を迎えた神村学園は50分にも名和田の蹴ったFKから、ファーでDF5新垣陽盛(3年)が折り返したところに飛び込んだMF15松下永遠(3年)が押し込み3点目。 ここまで防戦一方の静岡学園だったが、選手を入れ替えながら反撃を開始。FW9大木悠羽とMF7天野太陽のコンビでチャンスを作ると、MF16原星也のミドルシュートや、左サイドをDF6鵜澤浬がえぐってFW13乾皓洋がフィニッシュとゴールを目指した。しかし、神村学園はチーム全体の守備の意識も非常に高く、徳村を筆頭に攻撃陣がサボらずにプレスを仕掛け、静岡学園の狙いでもあったサイド攻撃を強度の高さや的確なスライドで封じ、ゴール前でも粘り強い対応で決定機を作らせなかった。 結局このままスコアは動かず。神村学園が難敵・静岡学園を相手に完勝した。 「もちろん勝つことは良いことですが、そこだけに触れているわけではないので、『成長した上に勝ちが繋がってくれば一番いいよね』というテンションで楽しくやろう」と選手たちを送り出した有村圭一郎監督は「うちの3トップが毎回誰が出ていくのかわからないので、相手が上手く捕まえきれていないところがあった」と前半から攻撃が機能したとコメント。それでもハーフタイムには「まだ刺し切れるところはあった」と指揮官に指摘を受け、選手たちは後半も攻撃の手を緩めず3点目を見事に奪った。 ここまで4戦24発と驚異的な攻撃力を見せているが、守備面も4試合連続で無失点。強度の高さはもちろんのこと、「松下とDF4鈴木(悠仁)が運動量が多くやれる。前に強い選手がいるのでシンプルに相手をピン止めして、中盤は鈴木と松下に運ばせる攻撃が今年は合っている。無理に後ろから繋いでいくんじゃなくて、強みを出させてあげた方が彼らの強みが活きる」(有村監督)シンプルな攻撃が守備面に好影響を与え、失点数を減らすことに繋がっているのかもしれない。 これ以上ない勝ち上がりで準決勝に進出した神村学園。次戦の相手は同じプレミアWESTの米子北だ。「満足している選手は一人もいないですし、自分たちの目標は日本一」(名和田)。貪欲に頂点を目指す神村学園が次は米子北に襲い掛かる。 (文・写真=会田健司)