昭和100年へ 昭和からのヒーロー『キン肉マン』令和でもクソ力! WEBと週刊プレイボーイで同時連載!アニメも復活
今や日本を代表するエンターテインメント産業であり、海外からも〝クールジャパン〟としてわが国の象徴のように語られることも多いマンガ・アニメというコンテンツ。その潮流が大きなうねりとなって商業面でも大発展、文化的価値のあるものとして多くの国民に認められるようになったのも昭和の大きな出来事のひとつであった。今回の「昭和100年へ」企画では、その中からとりわけ昭和末期に日本中の子供たちが熱狂した『キン肉マン』を例にとり、その未曽有のブームを振り返る。 漫画『キン肉マン』の連載が始まったのは昭和54年(1979年)5月のこと。当時、高校を卒業したばかりの新人漫画家コンビ・ゆでたまご(原作・嶋田隆司/作画・中井義則)の手により、毎週約300万部という日本一の発行部数を誇っていた少年漫画誌「週刊少年ジャンプ」(集英社刊)にて開始されたこの作品は、瞬く間に小学生を主とする低年齢読者層から絶大な支持を獲得。その勢いのまま昭和の終焉(しゅうえん)にかけて、同時期にヒットした『キャプテン翼』『北斗の拳』『ドラゴンボール』などと並び称される同誌看板タイトルへと躍進した。 主人公は闘うたびに連戦連敗、明るさだけが取りえの落ちこぼれヒーロー、キン肉マン。だがそんな彼が超人格闘技の世界でさまざまな強敵と死闘の末に友情を築き、真の実力を身につけ、やがて宇宙最強と呼ばれるまでの大成長を遂げていく。 作者・ゆでたまごの嶋田隆司氏はその誕生秘話についてこう明かす。 「昔から僕らはヒーローものは好きだったんですけど、大阪出身でお笑いも好きでしたし、ただカッコいいだけのキャラクターを描くのはどうも気恥ずかしかったんですよ。それでギャグを交えながら、でも闘うとどこかカッコいいみたいなヒーローがいてもいいんじゃないかな…という思いをキン肉マンに託しました」 そんなニューヒーローが紡いでいく熱血サクセスストーリーは、まだ日本が未来への希望にあふれ、誰もが夢を語ることを恐れなかった時代と共鳴し合うように、大ブレークを果たしていった。 その人気ぶりをさらに後押ししたのが、83年から放送され最高視聴率は20%をも超えたテレビアニメ、そして同時期に発売された昭和ホビー史に燦然(さんぜん)と輝くカプセルトイ「キンケシ」の存在だろう。