特にキンケシブームの過熱ぶりは驚異的で、その初期シリーズは1億8000万体以上を販売。社会現象として報道でも大きく取り上げられた。日本全土のスーパー、駄菓子屋前の筐体（きょうたい）には子供たちが列をなし、入手したキンケシを持ち寄っては自慢し合い、公園砂場の特設リングで夢の超人対決を繰り広げる光景が日常的に見られたものだ。

なおこの時にキンケシが巻き起こしたコレクションブームはその後、ビックリマンシール、カードダスへと移りゆき、果ては現代のアクリルスタンドへ、その流れは時代を超えて今に至るまで連綿と受け継がれているという見方もできるだろう。

さらに子供たちは学校でもキン肉バスターやパロ・スペシャルといった超人の技を教室や廊下でかけ合い、家では『キン肉マン』のファミコンソフトに熱中、夏には地域の盆踊り大会で公園から「キン肉マン音頭」が大音量で聞こえてきた。

そんな時代を子供として過ごしたのが、現在の40～50代の大人たちだ。

この世代の彼ら彼女らの多くにとって『キン肉マン』とはそんな身近にいて当たり前の存在。もはや郷愁をかきたてられるかのような、記憶の一部になっているのではないだろうか。

だがそのキン肉マンは、WEB連載という新たな試みにもチャレンジしながら今も現役で頑張っている。かつて子供だった大人たちをいつまでも鼓舞し続けるように。その姿はまさに永遠のヒーロー。

彼が闘い続ける限り、昭和に抱いた僕らの夢も、まだ終わらない。

★アニメ「―完璧超人始祖編」待望のシーズン2、25年1・12スタート

コミックス38巻～の新章を原作としたアニメ新作『キン肉マン　完璧超人始祖（パーフェクト・オリジン）編』は今年7～9月までシーズン1の全12話が放送。その続きとなる待望のシーズン2が年明け1月12日より毎週日曜夜23時半～CBC／TBS系全国28局ネットで放送開始される。

★最新第87巻が年明け1・4発売