愛と経済の伝道師“宗さま”こと宗正彰「注目を集める“新NISA”と数字で確認する“昨年までの経済情勢と今後”」を解説
◆2023年の経常収支は前年比でほぼ倍増 その理由は…
やしろ:そして、2023年の国際収支の数字では、どのようなことが見えてくるのでしょうか。 宗正:貿易や投資など、海外との取引状況を表す経常収支が前の年と比べて92.5パーセントも伸びたんですよ。ほぼ倍増です。経常収支のなかの一番大きな要素が貿易収支ですが、自動車などの輸出が好調だったことに加えて、その1年前(2022年)ってガソリン価格がどんどん上がりましたよね。それが一旦落ち着いた、つまり輸入の減少が要因です。 貿易収支が黒字というのは、輸出のほうが輸入よりも大きいときに黒字になるので、これが大きく効いてくる。赤字は赤字なんですけれども、前年比で赤字額が6割も減少していますということですね。 それから目につくのが自動車や家電のような、そういったもの以外の取引を示すサービス収支というもの。このなかでデジタル関連の赤字が前年比で16パーセントも上昇しています。 やしろ:以前、この番組でも勉強しましたね。例えばスマホで海外製のサブスクリプションサービスを利用したり、海外の製品や海外のサイトなんかでもお金を使ったりしていますからね。 宗正:YouTubeで動画を観るにしても、海外のサイトで取引をするにしても、けっこう海外のものって多いじゃないですか。あれで全部、(国内のお金が)海外にお金が出て行っちゃっているんです。今後デジタル分野で日本企業が稼ぐ力をつけること、国内投資の受け皿となる成長産業を作り出すことが、この国にとっての課題ですね。 やしろ:ありがとうございます。宗正彰の愛と経済と宗さまと。AuDeeにて毎月10日20日30日に配信中でございます。宗さま、今月もありがとうございました。 宗正:ありがとうございました。 (TOKYO FM「Skyrocket Company」2月14日(水)放送より)