片づかない家で「絶対に捨ててはいけない」書類3つ。ないと大損することも
食器、雑貨、衣類など、終活に向けて整理を始める方もいる50代。様々な書類も整理して身軽な60代を迎える準備をしておきたいところ。「一見不要に見えても、あとになって必要だった! という書類もありますので注意が必要です」というのは、ライフオーガナイザー・ファイナンシャルプランナー・家計アドバイザーの下村志保美さん。詳しく教えていただきました。 【写真】直近7年分の預金通帳は残しておく!
1:保険証券は原本があった方がいい
ペーパーレス社会ですが、紙のまま取っておきたいのは保険証券。処分してしまっても保障内容が無効になることはありませんが、保険の見直しの際や、もしものときに家族が確認するためにあると便利。再発行も可能ですが、手間と時間がかかります。わかりやすい場所に保管しておきましょう。 一方で年金手帳は令和4年から廃止され、なくした場合は代わりに基礎年金番号通知書が交付されます。ねんきん定期便や、毎年の保険の契約内容のお知らせなどは内容を確認したあと、古いものから処分しても問題ありません。 各種請求書やクレジットカードの利用明細もペーパーレスになっていることがほとんど。余分な紙類を家に入れないように心がけたいですね。
2:直近7年分の預金通帳で相続に備える
相続発生7年前に贈与があった場合、生前贈与加算の対象となりお金の流れがわかる資料として通帳が必要になることがあります。 もちろんこの場合、難しいのは「相続発生前の7年」であるということ。いつ相続が発生するかはだれにもわからないので、直近7年分の通帳は残しておいた方がいいということになります。 すでに処分してしまって手元にないとか、ネット銀行のようなそもそも通帳がない場合は、相続発生時に口座の明細を取り寄せることで対応可能です。ただし取り寄せにコストがかかる場合もあるので、通帳があれば残しておいた方が安心です。
3:不動産売買契約書は、不動産の売却時に必要
もち家の場合、取っておきたい書類。とくにこの中で不動産売買契約書は不動産売却時に必要になってきます。 家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査/金融広報中央委員会・令和2年)によると、50代のもち家率は71.9%とのこと。そしてこの時期に住宅ローンを完済させる方も。 「やった! 完済した! じゃあ、もう契約書は不要だよね」と、書類も処分したくなる気持ちにもなりますが、その契約書がないばかりに自宅を売却した際、取得費として控除される金額が大幅に減り、税金が本来より多くなってしまいます(実際の取得費が不明の場合、売却代金の5%が「取得費」して計算される)。
書類の持ちすぎに注意!厳選することが重要
と、ここまで書くと、手放しても問題ない書類すら捨てることが怖くなるかもしれません。だからといって書類を捨てずになんでもかんでも取っておくと、今度は不要な書類に重要な書類が紛れ込んでしまい、必要なときに見つからなかったり、間違えて捨ててしまうリスクも。 書類整理の目的は、必要なときに必要な書類がすぐに見つかること。今回お伝えした3つの書類についてをご参考に、あとは仕事や学校の書類を必要に応じて残しておく。古い学校のプリントやチラシ類、使っていない家電の取扱説明書など、不要な書類から整理を進めていってくださいね。
下村志保美