映画『ルックバック』の音楽はどう生まれた? haruka nakamuraが明かす、“光”がテーマになった背景
「光のイメージ」の背景にある、Nujabesのこと
最後にnakamuraは映画『ルックバック』の主題歌『Light song』への想いについて語った。 nakamura:「光へと向かっていく希望のようなものを讃美歌的なアプローチで作っていただけないか」というお話を伺っていました。僕は音楽活動のなかで“光”というのをテーマとしてやってきました。それはもともとNujabesさんという自分の師匠のような方が亡くなったことがきっかけで『光』という曲が生まれて、それからずっと普遍的なテーマとして光というものを自分の真ん中に置いて作ってきました。その頃によくアンサンブルメンバーに聖歌隊も入ってもらい演奏していましたが、聖歌隊にいたuraraという子が今回メインボーカルで歌ってくれています。もともと僕が讃美歌が好きなのもありました。教会にもよく行くし、祈りの場の静寂というものがとても好きです。今回の主題歌では光や讃美歌的な音楽が求められていたので、監督とも話し合い、歌詞は特定の歌詞ではないものとして、祈りのおまじないのようなイメージで僕が仮歌を歌ったものをuraraが聴きとってくれて、歌ってもらいました。歌詞はありませんが、光のイメージをストレートに素直に呼び起こしたような感覚です。 番組では『Light song』をオンエアした。 nakamura:今作はセリフが少なくて、点描シーンというか、情景と風景と共に音楽があるシーンが多くて。そういう意味でも映像と音楽が1つになって表現している作品なのかなと思います。僕はアニメーション映画の音楽を作るのは初めてでしたが、その作品が『ルックバック』でありがたかったなと思っています。 タカノ:本当に感情を揺さぶるような、素晴らしい音楽ですよね。歌詞が特定のものがなかったというのがすごく驚きでした。 セレイナ:なにかしらの言葉かなと思って聴いていました。でもそれが祈りとかおまじないのような効果をもたらしていて、実在しない言葉で歌っていることが不思議だけど素敵です。 タカノ:また、nakamuraさんは師匠であるNujabesさんが亡くなって以降、光をテーマにされていたということです。いろいろと勝手に僕の中で点と点がつながって、すごく大きな絵になっているというか。まさに映像と音楽が作品として1つになっています。 セレイナ:相乗効果ですね。 タカノ:それぞれが寄り添っているような、そんな音楽、アニメでした。 haruka nakamuraの最新情報は、公式サイトまで。 東京カルチャーの「イマ」をギュッと凝縮した『GRAND MARQUEE』の放送は月曜~木曜の16時から。