【箱根駅伝】中大・アンカー藤田 天国の母に捧げる力走「その言葉あったから…」
◇第101回東京箱根間往復大学駅伝・復路(2025年1月3日 神奈川・箱根町~東京・大手町の5区間109・6キロ) 【写真あり】9→10区で珍タスキリレー 中大と城西大、激しい競り合いで事故寸前に 往路首位で復路を発進した青学大がトップを譲らず、2年連続8度目の総合優勝を飾った。 中大は6位でたすきを受けた10区の藤田大智(2年)が区間4位の走りで総合5位に順位を押し上げてゴールテープを切った。 「7位を目標にしていて、まずそこを全員で達成できたのが今は凄くうれしい。5位に入るのと、7位で終わるのとでは来年に向けて大きな差なのは分かっていた。しっかりと順位を上げることができて良かったです」と充実の表情で言った。 辛い出来事を経ての箱根路だった。昨年10月に母・理砂さんが闘病の末、45歳で死去。「正直、一度はもう諦めたというか…。走れる気持ちじゃなかったんです」。折れそうな心を支えてくれたのは、やはり母の最後の言葉だった。「箱根の夢だけは忘れないで」――。自らを懸命に奮い立たせ、この日のために走り込んできた。「その言葉があったから、最後まで頑張れたかなと思います」。天国の母に届ける力走だった。