「子育てを休みたいと頻繁に思う」「子どもを脇へ押しやりたい」…<子どもを引き金として起こる感情>に支配されないための考え方とは
◆子どもと同じ年齢だったときに感じたこと 大事なのは、子どもと一緒に心地よく過ごせること、子どもが守られていると感じられること、そしてあなたが子どものそばにいたいと思えることです。 その際、言葉は小さな要素にすぎません。それより大きな要素は親の温情であり、子どもとの接触であり、善意であり、子どもを尊重することです。 子どもの気持ちや人格、意見、独自の世界解釈を尊重することです。子どもが愛らしい姿で眠っているときだけでなく、起きているときにも愛情を示す必要があるのです。 もし常に子どもと離れて休憩したいと感じているなら、おそらくあなたが必要としているのは子どもが引き金となって起こる感情から自由になることです。 こうした引き金に支配されないために、共感を持って幼いころの自分をふり返ってください。それができれば子どものニーズや切望にも応えられるようになります。 もちろん、趣味を楽しむためにときどきベビーシッターを雇うのも大事ですが、休みたいと思う気持ちがとくに強いとき、その気持ちが頻繁に起こるときは要注意です。自分が目の前の子どもと同じ年齢だったときに感じたことを、意識して思いだしてみてください。
◆理解をより深めるために「やってみよう」 あなたに最も強くネガティブな反応を引き起こすのは子どものどういう行動か、考えてみましょう。あなたが子どものころ、それと同じ行動をしたときには、何が起こりましたか? 目を閉じて、一番古い記憶を探ってください。ぼんやりした映像か感情が浮かぶだけかもしれませんし、明確なストーリーがあるかもしれません。 その記憶のなかで最も強い感情はなんですか? その記憶と、いまのあなたにはどんな関連がありますか? その記憶はあなたの子育てにどう影響していますか? この課題の最中に「何か」が浮かびあがり、たとえばそれが恥をかくことへの不安だとしたら、いまのあなたは常に自分が正しいと思うような親かもしれません。 その場合にとばっちりを受けるのはあなたの子どもです。浮かんできた「何か」を直視できれば、恥ずかしい気持ちに負けそうになったり、言い訳をしながらいままでと同じ行動を続けたりすることはもうないでしょう。 ※本稿は、『子どもとの関係が変わる 自分の親に読んでほしかった本』(日経BP 日本経済新聞出版)の一部を再編集したものです。
フィリッパ・ペリー,高山真由美