子どもが3人いる友人が「長男は大学に行かずに三男は行く。逆ならお金が助かったのに」と発言。学費の話らしいけど、どういう意味?「大学無償化制度」について解説
大学は入学金や授業料など多くのお金がかかります。ただし、家庭の経済状況に関わらず進学できるチャンスを確保できるよう、大学進学の際の学費を軽減または免除する仕組みがあります。 友人が「長男は大学行かないけど三男が行く。逆ならお金が助かったのに」という話を聞くと、「なぜ兄弟の誰が大学に行くかによってお金が助かることがあるのだろう」と疑問に思う人もいるかもしれません。 本記事では大学無償化制度の概要や条件、友人の発言の意図について解説します。 ▼「3人目3万円」に思わぬ落とし穴! 2024年12月に前倒しになった「児童手当拡充」の注意点
大学無償化制度とは?
大学無償化制度とは、家庭の経済状況に関わらず意欲ある子どもたちの進学を支援するため、高等教育機関に進学する際の学費負担を軽減または免除する仕組みです。 制度自体は2020年4月からスタートしていますが、2024年度に拡充されたのに続き、2025年度からさらに拡充されます。具体的な変更点としては、現行制度にある所得制限の撤廃が挙げられます。子どもを3人以上同時に扶養している間は、所得制限なしで、国が定める一定の額まで大学などの授業料・入学金が無償となります。
子どもが3人以上いても、全員が大学無償化とはならない
2025年度から改正される大学無償化制度は、「子ども3人以上を同時に扶養している多子世帯」が対象となり、所得制限がありません。 このため、世帯収入が多くてこれまでは対象外だった世帯でも、扶養している子どもが3人以上いれば学費支援が受けられます。具体的には、国公立大学では入学金や年間授業料が全額免除され、私立大学でもそれぞれ最大で入学金26万円、授業料70万円の減免が適用されます。 ただし、要件にあるとおり、3兄弟の場合に全員が無償化の対象となるのは「同時に3人以上を扶養している」状態であることが条件です。例えば、長男が大学を卒業し扶養から外れた場合、第2子や第3子は無償化の対象外になるため、扶養人数が減ることで支援が受けられなくなります。 つまり、「長男は大学行かないけど三男が行く。逆ならお金が助かったのに」の意味は、(1)長男が大学に進学し三男が進学しない場合は、長男が大学に在籍している間は扶養人数が3人であるため、大学無償化の制度を利用できる (2)長男が大学に行かずに就職し自分で生計を立てる場合は、次男や三男が大学進学する際には扶養人数が3人に満たずに制度を利用できず、自分たちで大学の費用を準備する必要がある ということなのです。