税の優遇措置なんてオマケでしかない…新NISAブームで株投資を始める人たちが絶対に知るべきこと
■「非課税や税の優遇」はただのオマケにすぎない ですから、インフレに負けてしまわないためにも、株式投資を始めておかなければならないわけなのですが、さりとて、株式投資を長年続けてきている私からすると、「何も、今このタイミングで始めなくても、もう少し割安なタイミングを待ってから始めた方がよいのでは⁉」と思うのです。 そもそも課税制度における「非課税や税の優遇」というのは、「オマケ」なのです。私は「税務会計論」を専攻して日本で修士論文、イギリスで博士論文を提出していますし、税理士の資格も保持しています。また、東北大学の助教授・教授時代には税務会計論講座を担当していましたから、色々な課税制度をみてきています。それらの経験に基づいて私が至った結論は、「課税制度における非課税や税の優遇というのは、オマケでしかないと思っておいた方がよい」ということなのです。 ■高値づかみをしてしまう方が大問題 「新NISA制度」に限らず、たとえばいわゆる「住宅ローン控除」もオマケです。なので、住宅を取得する際に第一に考慮すべき点は「家が必要かどうか」で、税額控除が一番の理由になってはいけません。 なぜ国がオマケをくれるのかというと、住宅取得の促進は強力な経済活性化策になるからです。「新NISA制度」も、国が「貯蓄から投資へ」という資産形成の自助努力を後押ししたいから、オマケをくれるのです。 つまり私が一番強調したいのは、「新NISA制度にほだされて、高値づかみをしてしまう方がよっぽど大問題なので、たいしたことない非課税制度にほだされるのではなく、しっかりと株式投資の勉強をしてから始めた方がよいですよ」ということです。しかも、「新NISA制度」は恒久化されましたから、慌てて株式投資を始める必要はないのです。
■株価が安くなる局面を冷静に待とう 株式投資は、株価が割安な時に買い始めるのが基本のキです。 日経平均株価は、4万円前後でいったん調整する(=やや下落気味になる)でしょう。2024年3月時点の企業業績の水準から判断する限りでは、それが妥当な株価推移だからです。 とはいいつつも、『1冊でまるわかり 50歳からのトレーダー入門』が世に出るころに日経平均株価が4万円を超えてどんどんと上がっていたとしたら……それは「強いインフレの予兆」ですから、その後に来るのは厳しいインフレによる生活苦です。それこそ、かなりヤバいですね。 正常な経済状況の下では、日経平均株価といった「一国の経済指標」が一方向にどんどん進んでしまうことはあり得ませんし、好ましくもありません。であれば、株価が安くなる局面もあるはずですから、「新NISA制度」の導入とは関係なく冷静に、割安なタイミングを図るべきです。 ■新NISAに最適の銘柄選びを考える 『1冊でまるわかり 50歳からのトレーダー入門』第4章でも述べていますが、私の投資手法は「定量的要因」(数値で分析できる要因)に重きを置いています。 しかし世の中の多くの方は、株式投資をする時に「定性的要因」(性質的なことに基づいた要因)に重きを置いているようです。「何をやっている会社か」、「社長の優秀さや理念」、「成長しそうな分野かどうか」といった「定性的要因」を主軸にして、あれこれと思考を巡らせながら投資対象の会社を選んでいます。これを、「定性的アプローチ」といいます。 一方、「定量的アプローチ」は「数字の世界」ですから客観的ですし、一定の手法を身につけてしまえばかなりの程度で再現性も確保できます。そのため、株式投資では「定量的アプローチ」の方が上手くいきやすいのです。 しかしそんな「定量的アプローチ好き」の私が今、唯一注目している「定性的要因」があります。それは「インド関連」です。向こう10年かそれ以上の間に、インドが爆発的に成長しそうだからです。これには、経験に基づく明確な根拠があります。