誰もが使いやすい! ウェブアクセシビリティを実現する5つのステップ
最後に:あらゆる情報をアクセシブルにしよう
最近、「ウェブサイトに掲載しているPDFもアクセシブルにした方がいいのでしょうか」「ウェブアクセシビリティ方針にPDFも含めるべきでしょうか」などのご相談を受ける機会が増えてきました。 ウェブサイトに掲載しているPDFは、発信している情報の一部ですし、ユーザーに伝えたいという意図があるからこそ公開しているのだと思います。そうであれば、PDFもアクセシブルであることは必要と考えます。 WCAGにもPDFのアクセシビリティ対応テクニックが記載されており、アクセシビリティの対象になっています。また、PDF/UAという国際的なアクセシビリティの基準も存在します。PDFのアクセシビリティ対応について参考にしてみてください。 ではアクセシブルなPDFとはどのようなPDFなのでしょうか。先ほど紹介したデジタル庁の「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」には以下の記載があります。(48ページ参照) ・見出し、リスト、外部リンクなどの情報を追加できるタグを追加する ・画像に代替テキストを付与する ・文章と画像の読み上げ順序が正しくなるように画像にアンカーを追加する ・目次から該当文章に移動するリンクを追加する ・言語設定、文章名などのプロパティを設定する アクセシビリティの高いPDFを作るためにはいくつかの方法があります。一つ活用できるのはPDFファイルを編集するためのツールです。
PDFファイルの閲覧・編集・作成・検証を行う有償版の「Adobe Acrobat Pro」は、アクセシビリティチェック機能が搭載されています。チェックを実施すると、検出された問題点がレポートとして上がり、こちらには問題の修正を支援するツールや文章へのリンクが記載されています。
このレポートで検出された問題点を順番に確認し、特に重要なコンテンツの問題点を識別して修正していくことで、PDF文書のアクセシビリティを向上することができます。詳しくは「アクセシビリティ対応のPDFの作成および検証(Acrobat Pro)」をご覧ください。 すべての人が平等にデジタルコンテンツにアクセスできるようにすることはサイトを運営する企業の重要な責任であり、継続的にアクションを取っていくべきものです。決して難しい取り組みではなく、意味のあることだと感じてくださったら嬉しいです。 今年の障害者差別解消法改正の施行や、世界中で高まるアクセシビリティの意識をきっかけとして、ぜひ最初の一歩を踏み出してください。