「トランプ新大統領はディールだと感じれば対応変わるチャンスも」と専門家 USスチール買収巡る攻防
アメリカのバイデン大統領などを提訴した日本製鉄が7日午前会見を開き、橋本会長が「勝訴のチャンスはある」と述べて徹底的に争う考えを示しました。 【日本製鉄・橋本英二会長】「訴訟を通じて示されていく色んな事実が、憲法・法令に明確に違反したものであると示されていくと確信しているので、勝訴のチャンスはあると」
■日本製鉄側「バイデン大統領の違法な政治介入」と指摘
バイデン米大統領は3日、日本製鉄によるアメリカの鉄鋼大手USスチールの買収を禁止する命令を出していました。 橋本会長は「バイデン大統領の違法な政治介入で審査手続きも適正に実施されないまま、今回の大統領令に至った。到底受け入れることはできない」と厳しく非難し、買収を諦めないと述べました。 【日本製鉄・橋本英二会長】「米国での事業遂行を決して諦めることはありません。 諦める理由も必要もない」 買収が失敗した場合、日本製鉄はUSスチールに日本円で約890億円の違約金を支払う義務が生じる可能性もあります。
■米鉄鋼大手の反発も
一方、アメリカの鉄鋼大手クリーブランド・クリフス社は6日の声明で、「日本は中国以上に鉄鋼の過剰生産とアメリカへの有害なダンピングを数十年にわたって行ってきた歴史がある。自ら招いた災難の責任を他人になすりつけようとする恥知らずな試みだ」と非難しました。 日本製鉄は、USスチールがおととし行った入札でクリフス社を退け、取締役会の全会一致で買収が承認されていました。
■「合併によって力をつけて中国に対抗…」トランプ氏が「ディールと感じれば対応変わるチャンス」
関西テレビ「newsランナー」に出演した、大阪大学大学院経済学研究科の安田洋祐教授は、トランプ次期大統領が就任すれば対応が変わる可能性もあると指摘しました。 【安田洋祐・大阪大学大学院教授】「(バイデン大統領の決定は)予想外の影響が出るかもしれない。それはトランプ新大統領も選挙戦中かえあ買収は認めないと強くいっていた。今回、バイデン大統領もNOといった。 バイデン大統領に対抗するためにトランプ新大統領が姿勢を変える可能性がある。鉄鋼生産に関しては60%が中国なので日本にしてもアメリカにしてももはや厳しい状況。 合併によって力をつけて中国に対抗していくというところでトランプ大統領がある種のディールだと感じてくれれば、ひょっとすると新政権での対応が変わるチャンスがあると思います」 (関西テレビ「newsランナー」2025年1月7日放送)
関西テレビ