川淵三郎氏、渡辺恒雄さんを追悼「不倶戴天の敵だと思っていた相手が…」
渡辺恒雄さんの訃報に、1993年に発足したJリーグのチェアマンだった川淵三郎氏(88)が19日、相談役を務める日本サッカー協会を通じてコメントし「まさに渡辺さんはJリーグの恩人。心から感謝しています」などと追悼した。 【写真】監督辞任の会見後に写真に納まる巨人の長嶋茂雄監督と渡辺恒雄さん、新監督に決まった原辰徳ヘッドコーチ 三浦知良らを擁するヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)の親会社の社長としてプロ化に携わった渡辺氏は、Jリーグがクラブの名称から企業名を外して地域名を冠するよう求めたことに猛反発。川淵氏を批判して対立し、互いを「独裁者」と表現することもあった。川淵氏は「クラブの呼称問題などで侃々諤々(かんかんがくがく)の論戦を繰り広げたことが懐かしく思い出されます」と回顧し、「渡辺さんとの論争が世間の耳目を集め、多くの人々にJリーグの理念を知らしめることになりました。恐れ多くも不倶戴天の敵だと思っていた相手が、実は最も大切な存在だったのです」と感謝した。 ヴェルディは赤字が膨らみ、読売新聞社は98年11月に運営から撤退した。7年前に対談する機会があったという川淵氏は「頭脳では到底かなわないものの、そのお姿を見て渡辺さんのように年を重ねていきたいと思いました。その渡辺さんが亡くなり、目標を失った思いです」と悲しんだ。