「トランプ関税は大したことがないので怖がらなくてもいい」は本当なのか
こうした見方は、すでに多くの市場関係者が共有しており、最近では「トランプ関税恐るるに足らず」といった論調も増えてきている。 しかしながら、トランプ次期大統領の性格を考えると、こうした市場などの楽観的な予測などが、かえって問題を深刻なものとするリスクがあることにも注意が必要だ。「自己顕示欲の塊」と言っても過言ではないトランプ次期大統領は、自分が軽く見られることに対して、過剰な反発を見せることが多い。彼の関税案を市場が軽く見て、ことごとく無視するような格好となれな、意地になって高関税をかけようとする行動に出ることも考えられるはずだ。
相手国が強い報復措置を打ち出してくればなおさらで、反撃を受けてすごすごと引き下がったと評されるのを恐れ、とことん強硬な措置に出ることがあっても不思議ではない。もちろんその際には、株式市場も相当な痛手を受けることになるのは避けられない。 (当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
松本 英毅 :NY在住コモディティトレーダー