【注目チーム】小松礼雄新代表はハースを浮上に導けるのか…ベテラン2人体制で最下位からの脱却を目指す|ハース|F1
2021シーズンはルーキーの2人が大苦戦
2020年10月下旬には、同シーズン限りでグロージャン、マグヌッセンがそろって離脱することが公表された。そして12月1日にニキータ・マゼピンが2021年のシートに収まることを公表。その翌日にはミック・シューマッハがハースの新レギュラードライバーになることが明かされた。 2020年F2での王者と5位のコンビとなったハースだったが、2021年シーズンは序盤から大苦戦。ハースのマシンは開発面で現シーズンではなく、レギュレーションの変わる2022年に向けて注力する以降を表明。ルーキーの2人にとっては実戦経験を積む場となったが、ほとんどのレースでテールエンダー走る状況に。 そんな中でもミック・シューマッハは時折予選Q2に進出するなど、父ミハエル譲りの才能を示す。一方でマゼピンはほとんどのレースで同条件の僚友シューマッハに遅れを取る展開が目立ち、両者の予選平均タイム差は0.915秒差に及んだ。 結局ハースはシーズンを通じてノーポイントに終わり、2021年はコンストラクターズ10チーム中最下位という結果に。
2022年は中団争いを演じ、マグヌッセンが初PPを奪取
2022年もシューマッハ&マゼピンのドライバーセットで挑むはずだったが、ロシアのウクライナ軍事侵攻に伴い、ハースはウラルカリ社とのスポンサーシップ即時終了、及びマゼピンとの契約解除を発表した。そして同年3月9日にはマグヌッセンが2020年以来、2季ぶりにレギュラーシートに収まることが公表された。デンマーク人ドライバーは複数年契約を結んでいることも明かされている。 ハースは結局2022年、ケビン・マグヌッセンとミック・シューマッハのセットで挑むことに。前年はテールエンダーとして戦いつつも、翌年に向けての開発に尽力したこともあり、2022年は開幕早々から中団争いで戦えるほどの力を有していると証明した。 開幕戦バーレーンGPでは、2年ぶり復帰のマグヌッセンがいきなり予選7番グリッドを獲得し、決勝では5位フィニッシュを果たす。デンマーク人ドライバーはベテランならではの堅実さと安定感を見せた一方で、2年目のミックはマグヌッセンにかなわない構図が際立ってくる。若さと粗さが目立つミックは、不用意な形でマシンを壊してしまうこともしばしば。モナコGPではマシンが真っ二つになる大クラッシュ。そして日本GPではアタックラップではなく、ピットに戻る途中の周回でマシンを壊してしまう。結果としてこれらの積み重ねがハースの財政事情を大きく圧迫する要因ともなってしまった。 マグヌッセンは路面状況の変化を利して、サンパウロGPでキャリア初(ハースとしてもチーム初)のポールポジションを獲得するなど存在感を示したレースも。6度の入賞で25ポイントを手にした一方、ミックはシーズン中盤のイギリスGPとオーストリアGPで2戦連続入賞を果たすも、結果的に同年のポイント獲得はこの2戦のみで12ポイントという結果だった。