「トイレに座るだけで健康状態が分かる世の中に」元プロサッカー選手・鈴木啓太が語る“腸内環境”の大切さ
「テレ東プラス」は、元サッカー日本代表で、「AuB株式会社」代表取締役の鈴木啓太氏にインタビュー。自身の起業、未来のビジネスについて話を聞いた。 【動画】ビジネスのアイデアが満載!「ハツメイノハ2024」
“健康であることの大切さ”を失って気づく世の中から、失う前にアラートを鳴らせる世の中へ
――鈴木さんは、プロサッカー選手を引退した2015年に「AuB株式会社」を起業しています。どんな事業を展開しているのでしょう。 「私が今まで経験をしてきた“腸を整えること”の大切さを、いつもアスリートを応援してくれるサポーターの皆さんに伝えることで、恩返しができるのではないだろうかと考えたのが起業のきっかけです。 アスリートはいつも応援される側で、皆さんにエンターテインメントの価値を提供できますが、それ以外にも伝えられるものがあるというのが原点。まずはアスリートの腸内細菌を研究し、皆さんの健康に還元したいと思ったのが始まりです。 そこから4年間、ひたすら研究する毎日を過ごしました。お金もかかりますし大変でしたが、健康食品やサービスをローンチすることができました」 ――今は大手企業と組み、使用するだけで健康状態が分かる「スマートトイレ」を研究しているそうですね。 「人間にとって食は重要で、みんな健康になりたいと願っていますが、どうしても“欲”に負けてしまうことが多い。その行動を変えようとするサイエンスや技術にものすごく関心があります。 皆さんに“健康のために何をしていますか?”と聞くと、多くの方が“年に一度の健康診断”“時々体重計に乗る”と答えますよね。でも仕事や子育てに追われていると、年に1回の健康診断ですら行きそびれてしまうこともあります。 また、健康診断で“この数値が高いですよ”と指摘されたらしばらくは気をつけますが、今の世の中では、その機会が1年に1回しかない。自身の健康状態を日常的に可視化するというのが私たちのビジネスモデルで、毎日の健康状態が可視化されれば、自然と人の行動変容が起きると信じています。であれば、トイレに座ったら、嫌でも健康状態が分かるデバイスを生み出せばいいのではないかと。 “今、あなたの腸内環境は悪いですよ”“これが続くと疾患のリスクが高まりますよ”ということが、トイレで発生したガスや匂いで検知できるデバイスの開発を目指し、データを集めて研究しています。未病・予防が当たり前になる世の中にしたいのです。 アスリートは可視化されずとも、このバランスを常に頭の中で計算して食事を摂っています。毎日の健康データが可視化されれば社会課題も変わってくるでしょうし、健康寿命や子どもたちの食育にも影響が出てくる。行動変容を起こすきっかけは、生活動線の中にあるべきだと思っています。 ビジネスとして走り出すにはまだまだ時間がかかりそうですが、将来的には、トイレで“今日はこういう食材を食べた方がいいですよ。この食材はこのスーパーが安いですよ”というレコメンドができるようになるまで目指したいです」