ルマン24時間の舞台で鮮烈デビュー! ブランド初のBEV「A290」が目指したアルピーヌらしい“高性能”
Googleネイティブのインフォテインメントを搭載
走りに直接かかわる部分でもユニークなデバイスがある。3本スポークのステアリングはF1カーのそれをイメージしており、スポーク右上には「OV」(オーバーテイク)ボタンが備わり、長押しすれば10秒間だけトルク&パワーを最大化する。また左下には「RCH」ダイヤルが備わり、ブレーキ回生の有無と強弱3段階、つまり4つのレベルで切り替えることが可能だ。 また足まわりには「HCB(ハイドローリックコンプレションバンプ)」と呼ばれるダンパーインダンパーを採用。タイヤはミシュランの専用開発による「パイロットスポーツEV」を標準で装着し、パフォーマンスタイヤの「パイロットスポーツS 5」、あるいは「パイロットアルペン5」という冬用タイヤも用意される。 ちなみにインフォテインメントはGoogleネイティブで、充電時間まで考慮したルート案内や音声認識による多彩なコマンドが可能。しかも走行中の前後Gや回生と制動力バランスなど、各種の情報がライブデータとして見られるテレメトリー機能に加え、ドライビングを評価するコーチングモードや各種チャレンジを採点する機能も備わる。もちろんOTAによるアップデートがなされるという。 かように車両重量になるべく影響を及ぼさないところで、車内エクスペリエンスやドライビング体験をブーストする要素が、さまざまに練り込まれているのだ。 もうひとつA290で特筆すべきは、ルノーグループのBEVとして初めて双方向OBC(オンボードチャージャー)を装備、つまりV2GやV2Lといった給電機能をも併せ持つ点だ。充電速度はACで11kW、DCで100kWまで対応しており、日本のCHAdeMO規格でも後者と同程度の性能は確保できるはずとのこと。欧州でのデリバリーは2024年末。右ハンドルの生産は2025年半ばから、日本市場への導入は2026年が見込まれる。 (文=南陽一浩/写真=ルノーグループ、南陽一浩/編集=藤沢 勝)
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