「忌引き休暇」は法律で定められていない!?「忌引き休暇」を取り入れている企業の割合は?
身内に不幸があると、弔事の準備や葬儀に参列するために、「忌引き休暇」申請の手続きを行わなければならないでしょう。しかし、忌引き休暇が法律上どのような扱いになっているのか、知らない方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、忌引き休暇のルールや忌引き休暇の制度が導入されている企業の割合などについて調べてみました。いざというときのために、忌引き休暇についてのルールや就業規則を確認しておくことは大切です。 ▼有給休暇の取得に会社の許可は絶対に必要?「繁忙期」でも取得できるの?
忌引き休暇は法律で定められているわけではない!
身内に不幸があったときに、会社から休みをもらうことを「忌引き休暇」といいます。しかし、忌引き休暇は会社の福利厚生のひとつであり、法律で定められているわけではない点に注意が必要です。 忌引き休暇については、厚生労働省労働基準局監督課の「モデル就業規則」に「慶弔休暇」の項目として近親者が亡くなったときの規定の例が挙げられています。 加えて、慶弔休暇は法律で定められたものではない旨が、以下のように記載されています。 「慶弔休暇及び病気休暇については労基法上必ず定めなければならないものではありません。各事業場で必要な期間を具体的に定めてください。」 また、慶弔休暇の項目に「配偶者、子又は父母が死亡したとき」「兄弟姉妹、祖父母、配偶者の父母又は兄弟姉妹が死亡したとき」とありますが、取得休日日数は空白になっていて、会社が就業規則を作成する際に任意で設定することになっています。
忌引き休暇を制度として取り入れている企業の割合は?
忌引き休暇を制度として取り入れている企業はどれくらいあるのでしょうか。 独立行政法人労働政策研究・研修機構が実施した「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」によると、慶弔休暇制度のある企業の割合は90.7%であるとのことです。同調査から、ほとんどの企業が福利厚生の一環として慶弔休暇を採用していることが分かります。 忌引き休暇の日数は、親類関係の遠近に基づいて定められ、一般的な日数は以下の通りです。 ●0親等(配偶者):5~10日 ●1親等(父母・子ども・配偶者の両親):5~7日 ●2親等(祖父母・兄弟姉妹):2~3日 ●3親等以上:1日 忌引き休暇は法定外休暇に該当するため、取得できる日数や有給か無給かは会社によって異なります。就業規則に記載があれば休みの間も給料は出ますが、無給と定めている場合もあるため注意が必要です。 無給と定められている場合は、忌引き休暇中は欠勤と同様で給料が発生しません。給料を下げることなく休みを取りたい場合は、代わりに有給休暇の取得を検討しましょう。 また、忌引き休暇の有無や詳細については、事前に就業規則を確認しておくようにしましょう。