国内4冠の強豪ペルージャに移籍した石川祐希が語る、伊10シーズン目の現在地「トスが来ないなとは思ってない。来た球をしっかり決めたい」
1週前にポーランドで開催されたプレシーズン大会で、ペルージャは同国リーグの強豪勢を退けて優勝したばかり。そこでのパフォーマンスに好調さを感じたと伝えると本人は、「いやぁ、そんなに…自分が思っているよりは、今日の方がまだ少し慣れてきた感じがしています。やっぱりペルージャは昨季からほぼ同じメンバーで彼らのリズムがあるので、そこにうまくはまっていくにはもう少し時間をかけないといけないなと感じています」と、いつもながら厳しい自己評価に頭が下がる。 ミラノと日本代表で20得点超えは当たり前の点取り屋を担ってきた石川。この試合では、助走に入るも司令塔ジャンネッリから配球を受ける頻度は決して多くはなかった。そこについては、「トスが来ないなとは全く思ってないです。(ペルージャは)誰でも打てるので、トスが来た時にはしっかり決められるようにしないといけないなとは思いますけど、トスをもっと欲しいなぁとかそういった欲は正直なくて、来た球をしっかり決めたいと思っています。けれど、まだ合ってないところとか、僕が100%気持ちよく打てているかと言われたら、そうでもないと思います。まだ完全に合ってはいないので、今は探り探りの中でやっています。もう少し時間がかかると思いますけど、この中で良い状態でできているのかなとは思っています」とコメント。コンディションは良好、新天地への適応にも焦りはないようだ。 ミラノ在籍中の取材では、柔和な表情の奥にチームを背負う者としての緊張感が常に垣間見られた石川だが、今季初インタビューで最初に顔を見た瞬間、まったく違った印象を受けた。それは、解放感と良い意味での余裕に似た感覚。重責を担ったパリ五輪を終え、新天地ペルージャで新たな岐路をすでに楽しみ始めている“ユウキ・イシカワ”がそこにいた。 「(環境の変化は)毎日刺激になっていますし、本当にイタリアへ来た頃はこんな感じで始まったので、またそこからリスタートじゃないですけど、そういった気持ちを持ちながらやっています。自分の立ち位置というか役割っていうのを探り探りやってるので、まあもうちょっと時間がかかるなというふうには正直自分の中で思っています」と心境を吐露。イタリアリーグで二桁シーズンへ突入する石川にとって、“原点回帰”がひとつのキーワードとなりそうだ。 決勝のチヴィタノーヴァ戦後の取材では、初日の評価から変化が!!インタビューの詳細は続報記事にて、お届けします。 取材・文●佳子S・バディアーリ