【NBA】ダイソン・ダニエルズの攻守に渡る大活躍でホークスがセルティックスを撃破「僕らは自分たちを見限らない」
トレイ・ヤング不在でセルティックスを破る大金星
ホークスはセルティックスとの接戦を117-116で制し、ボストンで貴重な勝利を挙げた。1週間前、アトランタでの同カードでは手も足も出ずに30点差の完敗を喫していただけに、敵地ボストンに乗り込み、さらにエースのトレイ・ヤングがアキレス腱の痛みで欠場となれば、勝ち目はないと見られていた。さらにはディアンドレ・ハンターにボグダン・ボグダノビッチも欠いていた。 しかし、ホークスはその予想を覆す。前半終了時点で54-65、第3クォーター途中にはこの日最大の15点のビハインドを背負ったが、決してあきらめずに巻き返した。その主役となったのは22歳のジェイレン・ジョンソンであり、21歳のダイソン・ダニエルズだ。 ダニエルズはこう語る。「試合前から僕たちの負けだと決め付けていた人もいるだろう。でも、僕らは自分たちを見限らない。コートに出て戦い、最後まで戦い抜くんだ。前半はかなりやられていたけど、冷静さを失うことなく頑張り続けた。その努力が最後にモノを言ったんだ」 ヤング不在で明確なプレーメーカーがいなくなった分、ホークスはボールをシェアし、カットの動きを増やしてオフェンスを活性化させた。ジョンソンが10アシストを記録したが、キートン・ウォレスが8アシスト、ダニエルズが7アシスト、ベンチから出場したギャリソン・マシューズが6アシストと多彩な攻めを見せる。 ガードとフォワード陣のフリーランの多さにセルティックスの守備がスイッチして対応したが、そこでゴール下のクリント・カペラ、ラリー・ナンスJr.を使ってミスマッチを突く。3ポイントシュートは32本中10本成功の成功率31.3%と試投数も確率も低かったが、ペイントエリアでの得点で68-32とセルティックスを圧倒した。 リバウンドは45-34、オフェンスリバウンドは20-6と圧倒。スティールでも16-7。これはスティールで平均3.3とリーグでぶっちぎりのトップに立つダニエルズの6スティールが効いている。 こうして接戦に持ち込んだものの、終盤にも優位と見られたのはセルティックスだった。ホークスはハッスルするものの、クラッチタイムに攻守のチーム戦術を的確に遂行する力はセルティックスが上回る。1ポゼッション差に詰め寄り、追い付くことはできても、なかなか逆転には至らない。 115-116の1点ビハインドで迎えた残り12秒、ホークスはタイムアウトを使って最後のオフェンスに賭けた。だが、ここでも効果的な攻めを遂行できず、ダニエルズが放ったタフショットのフローターがリングに嫌われる。しかし次の瞬間、このこぼれ球に飛び付いたオニエカ・オコングがタップで押し込み逆転。最後もバタバタしたものの、セルティックスの追撃を振り切って117-116の逆転勝利を収めた。 ジェイレン・ジョンソンは18得点13リバウンド10アシストでキャリア2回目のトリプル・ダブルを記録。ダニエルズはキャリアハイの28得点を記録した。 セルティックスにとってはまさかの黒星だったが、試合後には素直に負けを受け入れた。ジェイレン・ブラウンは「勝ちたい気持ちとともに、勝てるだろうという気持ちもあった。メンタル的にあまりにも不注意だった」と語る。指揮官ジョー・マズーラもこうコメントした。「あらゆる面でホークスが上だったと認めざるを得ない。よりフィジカルに、より激しく戦ったのはホークスだ。20のオフェンスリバウンドを奪い、我々から20のターンオーバーを引き出した。これだけシュート数で差を付けられては勝てない」 ホークスの指揮官クイン・スナイダーが理想に掲げる『ボールを走らせる』スタイルが、トレイ・ヤング不在で見事に機能したのは少々皮肉ではあるが、若い選手たちがひたむきに戦い続けた結果、素晴らしい勝利を手にした。