ビクターの“耳をふさがない”新作イヤーカフ型イヤフォン「HA-NP1T」の完成度が高い! カラバリと中高音域のクリアさ、価格に魅力あり
気になる音質は……
続いて大事な音質について。イヤーカフ型イヤフォンはじっくりと音楽を楽しむというよりは、“ながら聞き”がメイン用途です。とはいえ、それなりの質は欲しいと思うのが普通でしょう。 HA-NP1Tは大口径と言ってもいい10mmのドライバーユニットを搭載しています。メーカーが「クリアな高音質サウンド」と宣伝している通り、中高音のボーカルやメロディがくっきり聞こえやすい傾向の音が出ています。 HA-NP1Tを初めて装着したときに流れた(流ちょうな)日本語のアナウンスがイヤーカフ型イヤフォンにしてはあまりにクリアだったので、わくわくしながら音楽を再生したのですが、まさに期待通りといったところ。 中高音域の限界(これ以上の音を出したら音割れしそうなところ)を感じさせず、どこまでも伸びやかに音が響いて気持ちよく聞けそうな余裕さは、HUAWEI FreeClipで得られなかった感覚なので、正直びっくりしました。イヤフォンに興味がない家族にも試聴してもらいましたが、「HA-NP1Tの音が好み」と言っていました。 さらに専用アプリ(iOS、Android)でサウンドモードを「NORMAL」「HIGH」「BASS」から選択して切り替えられます。HIGHを選ぶことでボーカルがさらに前へ出てくるので、イヤーカフ型イヤフォンであることを忘れるほど楽しく聞けます。 一方で、低音域についてはサウンドモードでBASSを選んでも控えめな印象でした。低音の量感や質感をそれなりに味わいたいのであればHUAWEI FreeClipに軍配が上がりますが、HA-NP1Tのくっきりとした音に慣れてしまうと、HUAWEI FreeClipは中高音域やボーカルが曇って聞こえるかもしれません。 低音域の迫力よりも、女性ボーカルやアニソンなどの中高音域を気持ちよく聞くことを優先したい、もしくは動画視聴やオンライン会議で声をしっかり聞き取りたいのであれば、現時点でHA-NP1Tを強くおすすめできます。 もう1点気になったのが音量の低さです。実用上の問題はありませんが、他の製品と同じ音量を出そうと思ったときに、接続した本体の音量を比較的高めに設定する必要がありました。