お酒が格別に旨くなる! お手軽なアウトドア体験「チェアリング」の魅力とは
バーベキューやピクニックといったアウトドア遊びは楽しいけれど、せっかく予定を決めて準備をしておいても、当日の朝になったら雨がざんざか降っている、なんてことも。日を改めて、と言いたいところだけど、大人のスケジュールというのはままならないものです。 【写真】飲酒ユニット「酒の穴」が提唱したチェアリングの嗜み方を見る(全9枚) そんな面倒なことに煩わされず、とても気軽にアウトドアの快感を味わう方法があります。たまたま暇ができた、たまたま天気がいい、じゃあ、以前から行ってみたかった隣町のナントカ記念公園でピクニックでもしてみるか! そんなことを可能にしてくれるのが、「チェアリング」なのであります。
椅子を広げた瞬間、そこが酒場になる
チェアリングというのはなんでしょう? それはライターのパリッコ氏&スズキナオ氏による飲酒ユニット「酒の穴」が提唱した概念で、アウトドア用の折りたたみ椅子を携え、山・海・川・公園、まあどこでもいいんですけど、眺めのいい場所に椅子を広げ、自由にくつろぐというもの。 酒の穴の二人は『椅子さえあればどこでも酒場』(Pヴァイン)という共著も出しています。この本によると、チェアリングの定義は〈アウトドア用の椅子と酒やつまみを持って外に出て、公園や自然の中など、好きな場所に座り、そこで酒を飲む〉ということのようです。 発案者の二人は酒飲みなので、気持ちよくお酒を飲むための方法のひとつとしてチェアリングを発明したわけですが、もちろん、皆さんは無理してお酒を飲む必要はありません。好きなお菓子とお茶などを用意して、ぼーっと景色を眺めているだけでも、それは立派なチェアリングです。
チェアリングは公共のルールを守ってこそ
今回ロケに使用させてもらった彩湖・道満グリーンパークでは、バーベキュー用のコンロもテントも椅子もテーブルも、すべて用意してある至れり尽くせりの場所です。それはそれでありがたい。 でも、バーベキューを終えてすべて撤収・返却したあとに、「まだちょっと飲み足りないな……」なんて思ったらどうしましょう? ぼくは思ってしまったんですよ。だけど、心配はご無用。現場に椅子まですべて用意されていることを知らなかったぼくは、自宅からチェアリング用の椅子を担いで来ていたのです! チェアリングのいいところは、自分が「いい景色!」と感じたところに椅子を設置すれば、たったの5秒でそこが特等席になることです。 このとき気をつけないといけないのは、そこが勝手に椅子など置いていい場所かどうかを確認することです。公園などによっては立ち入り禁止の区画が設定されていることもあるし、公共の場所のように見えて一部が私有地だったりすることもある。 そもそも飲食禁止の場合だってありますし、仮に飲食はOKだったとしても、公共の場所でお酒を飲んでいる人たちを見るのを不快に感じる人だっているのです。 チェアリングは、ゴミを出さない、必要以上に騒がない、他の人の迷惑にならない──考えてみればどれも当たり前のことなんですけど──、そういうルールを守れる人だけが楽しめる、大人の遊びだと言えるでしょう。
とみさわ昭仁