全日本ラリーRd.5「モントレー2024」は新井大輝組が地元群馬で圧勝! 碓氷峠旧道で勝負を決める
ベテラン コドライバーですらも恐れたマキシマムアタックを超えたアタック
Leg1最後のSS6八倉峠は最近の全日本では珍しくなったナイトステージになりました。ライトポッドが闇夜の山道を照らしながら走り去るさまは独特の雰囲気があって、私はナイトステージが大好きです。 JN-1勢が出走する頃はまだ陽の光も残っていて、補助灯無しの選手もいましたが、JN-2がスタートする頃には日没もすぎて闇夜のステージになりました。
そのJN-2クラス、SS6を制したのは大竹直生・竹藪英樹組のGRヤリスでした。 ここまでクラス5位6位を行ったり来たりしていた大竹・竹藪組ですが、SS6でフルアタックを開始、クラス2位のHYOMA・伊藤克己組のGRヤリスに13.4秒差をつけ、クラス4位に浮上します。 大竹選手は2018年にラリーデビューし、2021年にJN-3クラスのチャンピオンを獲得し、2022年からはトヨタの育成プログラムに参加、フィンランドをベースにヨーロッパのラリーに参戦していました。今シーズンから全日本ラリーに復帰し、JN-2クラスのサブカテゴリーに参戦を開始します。 ここまで第2戦唐津でのクラス3位以外は目立った成績を残せず、本来の走りができていなかった大竹選手ですが、ようやく本領を発揮します。 Leg2の1本目SS7を3位、SS8を2位でクラス3位に浮上、ようやくライバルの背中が見え始めます。 監督からの「勝利指令」が出たLeg2の2ループ目、SS9でさらにペースを上げトップタイムでラリーを通して初のクラス首位に浮上します。最終ステージ、SS10のスタート前の「マキシマムアタック(マージンを削ってペースを上げて走行すること)を超えたアタックで、あんな怖い思いをしたのは初めてだった」というコドライバー竹藪選手の言葉が全てを物語っているようでした。 これまで数多くのドライバーと組み、国内外のラリーに参戦してきたベテランコドライバーが覚悟を決めてスタートした最終SSでもアタックを敢行、クラス首位を守り全日本復帰後初めての勝利を飾りました。 JN-2のサブカテゴリーに登録する大竹車はJN-2の規定よりも改造範囲が狭く、使用できるタイヤも違います。そのハンデを乗り越えての勝利は賞賛に値するでしょう。海外武者修行の成果は確実に表れています。再び世界を舞台に活躍する姿を見てみたいと期待させてくれる走りでした。