與真司郎さん、カミングアウトのその先へ「最近、一人でいることが怖くなくなったんですよ」
本当の自分を認めてくれる人が一人でもいれば大丈夫
――今は情報がありすぎて、「自分らしさ」みたいな言葉に良くも悪くも振り回されてしまう側面もある気がします。自分との向き合い方、心地よさの見つけ方を含めて、ぜひメッセージをいただけたら。 與さん: 「自分らしさ」が何なのか、どこにあるのか、わからなくなりますよね…僕もそうでした。でも、自分を褒めてくれたり、本当の自分を認めてくれたりする人が一人でもそばにいれば「自分は大丈夫なんだ」って思えるし、僕はその人たちのおかげで人生が変わりました。一人では絶対にここまで歩めなかったと思います。 あとは、自分と合わない人がいるってことを知っておくのも大事かな。全員と感覚が合うわけじゃないし、自分と意見が合わない人も世の中にはたくさんいる。そう思うようにすると、何か言われても気にならないし、すごく楽になりましたね。 ――自分の心の境界線を守るということも、大事なことですね。 與さん: そうなんですよね。自分の境界線を守りつつ、自信が持てるようになると、まわりの人にも優しくなれる。そこも自分の中で変わったことのひとつです。今までは相手に期待しすぎて心が削られたり、自分と違う意見にイラッとしたりしていたけれど、自分のことも他人のことも含めて、いろんなことを許せるようになりました。相手を変えようとするのではなく、自分が変わるように心がけています。 ――與さんが自分をケアしたいときに愛用しているものがあれば、ぜひ教えてください。 與さん: アイテムっていうよりも、運動と自然の中で過ごすこと。ちょっとネガティブになってるな…っていうときは、サイクリングしたり、走ったり、ハイキングをしたり、とにかく体を動かす。一人で考え込んでしまうタイプなので、外で体を動かして1回忘れる時間を持つようにしています。 ――考えすぎないように一度離れるのですね。心や体のウェルネスにまつわることで注目しているトピックや、心がけていることはありますか? 與さん: まわりはブレスワークをやっている人が多いかな。ストレスが溜まっていたり、緊張したりしていると呼吸が浅くなって、そこから結構ネガティブな方向にいきやすいから、そういうときこそ呼吸を意識するといいみたいです。僕も、イライラしたときは一旦外へ出て、深呼吸をすることで気持ちを切り替えています。 写真/松岡一哲 スタイリング/SUGI(FINEST) アシスタントスタイリスト/Shiori Nagayama(FINEST)、 Sayaka Suzuki(FINEST) ヘアメイク/Maki Sato 取材・文/国分美由紀 構成/渋谷香菜子