阪神大震災の揺れを再現し天井の損傷状況を確かめる…防災科研、世界最大級の震動実験施設で
阪神大震災の揺れを再現し避難所を想定した大規模な建物の天井などの損傷状況を確かめる実験が20日、世界最大級の震動実験施設「E―ディフェンス」(兵庫県三木市)で公開された。
実験は国立研究開発法人・防災科学技術研究所が、体育館を模した4分の1サイズの鉄骨建物(縦5メートル、横10メートル、高さ2・5メートル、重さ4トン)を製作して実施。阪神大震災で観測された地震波を基に揺れを再現し、震度6弱から6強相当まで徐々に強く揺らして調べた。
最後まで天井が落下することはなかったが、6強相当の揺れでは、天井裏に設置された空調機器が天井にぶつかっている様子が確認された。詳しい損傷状況は今後、解析する。
体育館などの大規模建物は、倒壊を免れても天井が落下すれば避難所として使用できなくなる。2016年の熊本地震や18年の大阪北部地震でも、公共施設の天井落下が相次いだが、どのような揺れで天井が損傷して落下につながっているのかよくわかっていないという。実験を行った防災科研の藤原淳・特別研究員は「得られたデータを詳しく調べて、損傷を少なくできるよう研究を続けたい」と話していた。