「こんな発想をすること自体が問題」、美輪明宏さんが語る「周りに気配りできない人にイライラする人」の本質
歌手や俳優として活躍しながら、その示唆に富んだコメントから多くの人からアドバイスを求められる機会が多い美輪明宏さん。本稿ではそんな美輪さんによる生きるアドバイスが満載の『愛のモヤモヤ相談室』より、美輪さんが語る、人と比べることの無意味さや、人生を前向きに生きるために必要な考え方を、5つ紹介します。 ■誰もがコンプレックスを持っている Q 人と比べて取り残された気持ちになってしまいます…… そんなことじゃ、この世の中、生きていけません。なに負けるものかと、マイナス思考を全部プラス思考に直さないとダメですね。
できない人だと思われて、それがなんぼのもんですか。そう思われたって屁でもないじゃありませんか。そうじゃないように努力すればいいんです。周りなんかどうでもよろしい。ゴーイングマイウェイ。自分らしいやり方で一生懸命やればいいってだけの話。 誰かの言葉にありましたよ、「我が道は険しい、されど我が選びたる道なれば」。この道は険しい。デコボコもあるし嵐も来る。だけど、自分が選んだ道なんだから、仕方がないじゃないか、自分が選んだのだからやるだけさ。
私も散々悪口を言われて、石を投げられたこともあります。でも自分が選んだ道ですから、ブツブツ言ったってしょうがないじゃないですか。みっともないだけ。みじめになるだけです。 ほかの人達も同じようにコンプレックスを持っているはずなんです。それを悟られないようにしているだけ。みんな、そんな気持ちを持っているんです。 Q 周りに気を配れない人を見るたびに、イライラ…… こんな発想をすること自体、問題ですね。偏見を持っている人間に限って、世の中に偏見があるなんてことを夢にも思わない。
あなたは、世の中にいるのは自分ひとりだと思っていらっしゃる。自分本位なんです。この世の中は、それぞれみんな、いろんな生活の仕方で、明日のお金をどうしようとか、病気だとか、心ここにあらずの悩みを抱えている人もいらっしゃるでしょう。千変万化で、いろんな悩みがくるくる変わってきますしね。いろんな闘いがあるわけです。 老いも若きも、私生活の中で悩みのない人なんていません。自分の闘いで精一杯で、ほかのことに気を配っている暇はない。そういう人がいっぱいいて、この人はこういう生活をしているんだろう、悩みがおありになるんだろうと思っていれば、こういうことは言えないはずです。