頭痛、肩こり、手足のしびれ、うつ症状も…不調を招く「スマホ首」 プロが教える「押すだけ」改善メソッド
血流を促し、脳もスッキリする両サイド押し
硬くなった筋肉をほぐして血流を促す「首の両サイド押し」は、短時間でこりが解消され、楽になる。 首の骨と筋肉を指で挟むように押圧することで、首の血管や神経のつまりを取り除く。脳への血流や神経伝達がスムーズになるため全身が整う。 【1】両手を後頭部に回し、親指以外の指を組む。両手の親指の腹で首の両サイドを挟むようにして押圧する。 【2】次に、頭の付け根から首の付け根まで、少しずつ位置をずらしながら押圧していく。押すタイミングで息を吐くと力が入りやすい。 【3】親指が疲れたら、人差し指、中指、薬指の3本の指を使った三指圧に切り替える。首の横にある肩甲挙筋(背骨と肩甲骨をつなぐ筋肉)を押圧。 【4】筋肉に沿って上から下へ、数ミリずつ位置を変えながら、1か所7秒ずつ押していく。これを3回繰り返す。 【5】3本の指先の位置がバラバラだと押す力が分散され、指を傷めやすくなるので、必ず指をそろえて押すこと。中指の先にほかの2本の指をそろえると、圧を集中させられる。 「イラスト1と2のように親指を使って押圧するだけでも血流改善効果がありますが、3、4、5のように3本の指で押圧すれば、さらに効果が高まります。押圧中にバランスを崩してふらつくことのないよう、背もたれのある椅子に座って行うのがおすすめです」 毎日続ければ全身が温まって冷え症が改善し、呼吸も楽になって寝つきがよくなり、不眠症改善効果も。 ◆ひじを前に寄せると圧が強くなる イラスト【1】の際、指先だけに力を入れて押すより、脇を締めてひじを寄せると、指先に強い圧が集まる。 「ひじを寄せれば親指が首にめりこむように力が入るので、無理に押さなくても充分効果があります」(島崎さん)
◆首を整える筋トレ 加齢などにより首から肩の筋力が低下し、首を支えられなくなると、スマホ首になるリスクが高まる。 「首を支えるために使っているのは、体の後ろ側の筋肉です。ところが、日常生活ではあまり使わないため、意識して鍛える必要があります。おすすめは、手を動かす筋トレストレッチ。 手のひらを上にしてひじを曲げ、腕は体の両脇につけたまま、ひじを離さずに手を前後に動かします。これを繰り返すことで肩甲骨の可動域が広がり、首を支える筋肉も鍛えられます」 ◆枕は円筒状に 首に正常なカーブを作るためにおすすめなのが、円筒状の枕を首の下に入れて2~3分首を伸ばすストレッチ。ラップの芯などにタオルを巻いて枕を作り、顔と床が平行になる高さに調整。 ◆床座りはお尻だけクッション 床に座る際にも背中が丸まると、首が前に出やすくなり、スマホ首に。 「ふくらはぎよりも厚いクッションをイラストのように敷き、お尻を浮かせて座れば骨盤が立って背筋が伸び、首も正しい位置に整います」 ◆教えてくれたのは:上部頸椎カイロプラクター・島崎広彦さん オフィスシマザキ院長、あん摩マッサージ指圧師。1988年に東京・青梅市に開業以来口コミで評判となり、これまで約30万人を治療。著書に『首を整えると脳が体を治しだす』(アチーブメント出版)がある。 取材・文/山下和恵 ※女性セブン2024年11月14日号
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