戦術マニア必見?チャンピオンズリーグで“一番面白い”チームはどこなのか…『as』副編集長が選ぶトップ5
「超守備的」を覆す存在
リヴァプールに続く注目チームは、アタランタだ。イタリアのチームは「超守備的」……彼らはそんなイメージを完全に覆す存在であり、勇敢なプレー哲学でもってビッグチームに立ち向かっている。 ジャン・ピエロ・ガスペリーニがピッチ全体をつかって行わせるマンマーク戦術は、絶対的に称賛されなければならない。レアル・マドリー戦(2-3)のようにDFラインの裏を取られてやられるリスクは常に存在しているが、あの試合でもアタランタの方がチャンスを生み出し、より良い結果を得るにふさわしかった。勝敗を分けたのは両ペナルティーエリア内でのプレーの差、つまりはマドリーの理不尽な決定力だったのだから。 アタランタの過激なまでの攻撃的スタイルは、見事としか言いようがない。1-3-4-3を使用する彼らは、左サイドのアデモラ・ルックマンの類い稀な突破力に加え、チームとして相手の守備を崩すための意思統一がされている。相手のDFラインにスペースをつくることを狙ってMFとDFのライン間にボールを差し込み、ウィングバックを中心にサイドから継続的にクロスを送り、アタッカーたちはしっかりゴール前に詰めてシュートを狙う。中盤ではエデルソンの判断力とフィジカルが光り、シャルル・デ・ケテラーレが予測不可能な動きで相手を翻弄する。
守備神話の守り手
そして絶対に見るべきイタリアのチームは、もう一つ存在する。シモーネ・インザーギ率いるインテルだ。彼らはアタランタとは真逆で、旧来のセリエAのチームらしく組織力・守備力の高さで存在感を示している。マンチェスター・シティ(0-0)、アーセナル(1-0)、ライプツィヒ(1-0)、レヴァークーゼン(0-1)との対戦で1失点しか許していないのが、その証左と言えるだろう。 インザーギが敷く1-3-5-2システムは中央、サイドのどちらもしっかりと守れる構造を持ち、攻撃時にはセンターバックが敵陣まで出向いてプレスを誘い、そこから速攻を狙う。フットボールは究極的に「両ペナルティーエリア内で何をするかで勝敗が分かれる」が、彼らが両エリアで見せるプレーは非常に堅実だ。守備時にマークが外れる・外されることはなく、相手の攻撃を守り切れば迅速なトランジションでもう一方のエリアに到達する。 インテルとの対戦は、歯医者に行くよりも恐ろしい。彼らこそがイタリアの守備神話の守り手だ。