23日は早慶戦 父は「うなぎステップ」の元代表、慶應の期待のルーキー・小野澤は「早稲田の1年生ライバルに負けたくない」
FBとWTBで、対抗戦全5戦連続先発
夏合宿を経て迎えた秋の関東対抗戦では、同じ1年のFL中野誠章(桐蔭学園)とともに、開幕から5試合連続で先発出場中。サッカー経験がありキックにもたけた小野澤は、筑波大戦と、初の秩父宮ラグビー場でのプレーとなった明治大戦は15番だったが、帝京大戦から14番となり、ランで持ち味を発揮し、プレースキッカーとしてもチームの得点源となっている。 「大学ラグビーのスピードに目が慣れてきたり、フィジカル面や強さを知ったりして、自分の通用するポイントを知って徐々に良くなってきたかな。(WTBとなって)視野を広く保ったまま、FBのときより時間があって、自分がボールを持ったときに余裕が出てきて、相手の隙を狙ったり、自分のランニングが生かせるようになったりしてきた」 早稲田大戦に向けて、チーム、個人でどんなプレーをしたいかと聞くと、「好調な早稲田大は、アタック、ディフェンスともに完成度が高い。攻守ともに受けてしまうと相手の思うままになってしまうので、先手を打って自分たちのペースで、乗っていく時間を作りたい。個人としては、チームを前に出すというところで、得意なランニング、キックで前に出てチームの流れを作りたい」と意気込んだ。
慶早戦「大舞台でトライを取れたら最高」
「同学年のライバルに負けたくないし、1年生の中でも良い選手と言われるように頑張りたい」と話していた小野澤。早稲田大は、3月にともにイタリア遠征にいったFL城央祐(桐蔭学園)、SO服部亮太(佐賀工業)、そして帝京大戦でハットトリックを達成したWTB田中健想(桐蔭学園)ら、1年生の出場が見込まれている。 「3人ともレベルが高く、それぞれ強みを持っている選手なので、自分の強みを当てて、相手が困る、嫌だと思うプレーをしたい。キックが飛ぶ(服部)亮太との蹴り合いは楽しみですし、健想くんは(WTBの)逆サイドですが、お互いに動き回ると思うので、バックスリーとしてマッチアップしたときには負けないように集中してやりたい」 「日本代表は夢」と話す小野澤は、毎日、練習と授業の合間、時間を見つけてはウェートトレーニングにも精を出しており、「体重が増えてもランスピードが出るようになり、スプリントが課題なのでS&Cコーチと取り組んでいます」。身長は180cmと変わらないが、体重は高校時代より2kg増えて88kgになった一方で、体脂肪は2%落ちて10%になるなど、身体的な成長も実感している。 あらためて慶早戦に対する思いを聞くと、「常にトライは取りたいと思っていますが、大舞台で取れたら最高だと思います。ずっとトライを取るために練習しているので必ず結果を出したい」と前を向いた。 黒黄ジャージーの1年生エースが、大舞台で得意のランでトライを奪い、慶應義塾大に2010年以来の白星をもたらすことができるか。
斉藤健仁