彼女の実家はかなり裕福で、将来は「専業主婦になりたい」と言っています。28歳で年収400万円、今後もそこまで年収が上がる見込みがないのですが大丈夫でしょうか?
昭和の時代には多くの世帯で当たり前に存在した「専業主婦世帯」。平成・令和と時代が下るにつれて大幅にその数を減らし、現在は少数派になっています。 現在、女性が「専業主婦」をしている世帯は全体の何%程度になっているのでしょうか。また、今後日本において「1馬力」で家庭を支えていくには、どのような努力が必要になっていくのでしょうか。データを参照しながら考えてみましょう。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
2023年時点の「専業主婦世帯」の割合は?
まず、昭和から令和の40数年にかけて、「専業主婦世帯」の割合はどのように変化していったかを見てみます。 独立行政法人 労働政策研究・研修機構の調べによると「専業主婦世帯」は昭和55年(1980年)の1114万世帯から時代を下るごとにほぼ一貫して減り続け、最新の統計である令和5年(2023年)においては517万世帯と、半分以下になりました。一方で「共働き世帯」は、同時期に614万世帯から1278万世帯へと倍増しています。(図表1) 結果として、現在においては共働き世帯が専業主婦世帯の約2.5倍も存在する状態になっています。40数年前と比べると、劇的な変化であると言えるでしょう。 図表1
労働政策研究・研修機構 統計情報 よくグラフを見ていくと、バブル経済の崩壊時期(1990年代)は専業主婦世帯・共働き世帯とも「ほぼ横ばい」の状態が続いていましたが「男女共同参画社会基本法」の成立した1999年あたりから、急速に共働き世帯の増加と専業主婦世帯の減少が進みました。 現在は慢性的な人手不足や、それにともなうパート賃金の上昇という環境も手伝っているため、専業主婦世帯の減少トレンドは今後も継続していくと予想されます。
「1馬力」で家庭を支えていくには、工夫と妥協が必要
総務省統計局のまとめた家計調査によると、2023年度平均の「二人以上の世帯のうち勤労者世帯」においては、1ヶ月の実収入は平均値で「60万8182円」となっており、年収に直すと「約730万円」となります。 また「世帯主の配偶者のうち女の有業率」は平均でも55.5%に達しており、世帯所得が高い階層ほど割合が高まっていることがわかります(最下位は22.0%であるのに対し、最上位は73.3%)。 「世帯年収400万円」の世帯は、年間収入十分位階級(世帯を所得の低いほうから高いほうに並べて、それぞれの世帯数が等しくなるように10等分したもの)では、最下位と下から2番目の間程度に位置します。 現代日本の勤労者世帯においては、年収400万円の世帯はかなり所得の低いグループに位置するため、限られた予算で生計を立てられるように工夫と妥協が必要になっていくでしょう。 ただ、年間収入十分位階級で低位のクラスであっても、子ども(18歳未満人員)を持つ家庭はそれほど少なくないことも見て取れます。世帯収入が少なければ少ないなりに、節約しながら子育てをしている家庭も多いのです。(図表2) 図表2