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（ブルームバーグ）： オリンパスは28日、シュテファン・カウフマン代表執行役社長兼最高経営責任者（ＣＥＯ）が違法薬物の購入に関する疑いを受けて辞任したと発表した。

発表資料によると、同社はカウフマン氏（56）が違法薬物を購入していた旨の通報を受けてただちに事実確認を行うとともに、捜査機関に報告し捜査に全面的に協力してきた。内部調査の結果、取締役会は同氏が同社の行動規範や価値観、企業文化と相いれない行為をしていた可能性が高いと全会一致で判断し、辞任するよう求めたところ同氏がこれに応じたという。

異動日は28日付で、後任のＣＥＯの役務は暫定的に竹内康雄会長が当面の間担う。カウフマン氏は社長やＣＥＯのほか、執行役や指名委員も辞任したという。同社の広報担当者は薬物購入が判明した時期は、捜査中のためコメントを控えるとした。また、後任確定の時期についても決まっていないとしている。

カウフマン氏は他社での勤務を経て2003年５月にオリンパス入社。17年４月に執行役員、19年６月には取締役に就任し、23年４月にＣＥＯに就任していた。同社の株価は28日続落し、一時前週末比7.3％安の2630.5円と８月５日以来の日中下落率となった。

カウフマン氏に事実関係についてコメントを求めたが現時点で返答は得られていない。

シティグループ証券の芝野正紘アナリストらはリポートで、カウフマン氏辞任のニュースは短期的に株価にネガティブと指摘した上で、 会社側は疑惑に対して適切に対応したとし、会社の業績への影響は限定的だろうと述べた。また、後任については経営トップを務めた経験もある竹内氏が最も適任だとした。

オルタス・アドバイザーズで日本株戦略責任者を務めるアンドリュー・ジャクソン氏はオリンパス株は直近の高値をなかなか抜けない時期が続き、カウフマン氏の辞任を受けても株価はそれほど上昇余地はないだろうとの見方を示した。

ブルームバーグ・インテリジェンスのＥＳＧアナリストである本間靖健氏は、誠実さが求められるヘルスケア企業のため、ＣＥＯが違法薬物の購入で職を追われたのが事実であれば、企業イメージの悪化は避けられないだろうと述べた。