伝統の直列4気筒エンジンを積む、最強ネイキッドCB1300SF
クラストップの排気量1300ccを得て、ネイキッドの王となる
CB1000SFは好調な販売を続けていたが、エンジンの基本設計自体に古さが見え始め、1100ccや1200ccという排気量を持つライバル車たちによる排気量マウントにも対抗する必要性に迫られた。ホンダは発売から10年以上人気を保ち続けていたヤマハのV-MAXをターゲットにしたX4を1997年に発売。このX4には1300ccのDOHC直列4気筒エンジンが搭載された。このX4のエンジンをベースに、「PROJECT BIG-1」コンセプトを引きづく新しいCB、型式名称SC40型の「CB1300SF」が1997年の東京モーターショーで発表された。 このCB1300SFはCB1000SFとデザインに的には近似しているが、エンジンから車体までそのほとんどが新設計となっている。エンジンは先述した通りX4に最初に搭載たれたものがベースだが、キャブレターやエキゾーストシステム点火時期などを変更。また、ライバルモデルの中で最も新しい基本設計のエンジンを搭載しており、最高出力は規制値一杯の100PS/7500rpm、最大トルク12.2kg-m/5000rpmというスペックは、当時のネイキッドモデルとしては最強クラスのものが与えられていた。また、CB1000SFではウォータージャケットそのままであったシリンダー周りに、空冷エンジン風の放熱フィンが設けられたこともSC40型の特徴となっている。 車体も新設計であり、CB1000SFでは18インチであったホイールサイズは主流の17インチへと変更された。リアサスペンションにはプロリンクサスペンションをツインショック化したダブルプロリンクサスペンションを採用し、作動性を大幅に向上させると共にアクスルストロークの荷重変化のスムーズ化を実現している。フレームはX4で採用されたバックボーンタイプのダブルクレードルタイプで、CB1000SFのディメンションをベースにヘッドパイプの位置の変更などを行なうことで旋回性能や低速での取り回し性能を向上させている。 SC40型は2002年モデルまで製造され、2003年にSC54型へとフルモデルチェンジされた。SC54型のCB1300SFはPGM-Fi(電子制御式燃料噴射装置)を採用し、車体からエンジンまで徹底域に見直されて約20kgの軽量化を果たす。マイナーチェンジと排出ガス規制にも都度対応しつつ、発売から20年以上経った2024年現在もラインナップに並び続けている。
CB1300SF主要諸元(1998)
・全長×全幅×全高:2200×780×1165mm ・ホイールベース:1545mm ・シート高:790mm ・車両重量:273kg ・エジンン:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒1284cc ・最高出力:100PS/7500rpm ・最大トルク:12.2㎏m/5000rpm ・燃料タンク容量:21L ・変速機:6段リターン ・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク ・タイヤ:F=130/70-17、R=190/60-17 ・価格:94万円(ツートーン・当時価格)
後藤秀之