政治的なシーンでの インフルエンサー 活用は抑えるべきなのか? 重要なのは広告塔と消費者に対する理解
より消費者の立場に立って考える必要がある
インフルエンサーマーケティングを正しく行うべきだというマーケターへのプレッシャーは、今後も続きそうだ。イーマーケター(eMarketer)のデータによると、2024年末にはマーケターはインフルエンサーマーケティングに81億4000万ドル(約1兆2450億円)を費やすと予想されており、その支出額は前年比16%増と指摘されている。予算が増え続けるのに伴い、その支出に関連するプレッシャーも強くなっている。 「その人物のコンテンツを消費することを選ぶ個人を理解していなければ、失敗する可能性がある」とコックス氏は言う。「コンテンツを見る目をコントロールできる従来のデジタルソーシャル広告よりも、はるかに複雑だ。(消費者の)立場に立って考える必要がある」。 一方、「インフルエンサーのコンテンツであれ、ブランドの現れ方であれ、何らかのサプライズを避けることはブランドが恐れる反発を避けるのに役立つ」と、IPG傘下のエージェンシーであるEP+Coの最高戦略責任者、クリス・プレーティング氏は説明し、一貫した価値観を持つベン&ジェリーズ(Ben & Jerry's)やパタゴニア(Patagonia)のようなブランドについて指摘した。 こうした戦略は反発を避けるのに役立つが、それでもまだマーケターには、何か間違いがあったときのためのプランBが必要だ。「仕事の相手は人間だ」と話すのは、インフルエンサーマーケティング企業のスウェイグループ(Sway Group)の創設者ダニエル・ワイリー氏だ。「突然攻撃的な内容の投稿をすることもある。ハリケーンに巻き込まれたように何もできなくなるかもしれない。人間相手だと、コントロールできないことが何かしらある」。 「何か問題が起きたときに足元をすくわれるのではなく、ブランドはその場ですぐに軸足を変える体制を整えておくべきだ」とワイリー氏は提唱している。「それがいままで以上に重要になっていると思う」。 [原文:Marketing execs believe deeper relationships, understanding influencers can avoid potential backlash in politics] Kristina Monllos(翻訳:藤原聡美/ガリレオ、編集:島田涼平)
編集部