性能3割向上の新メモリ規格「MRDIMM」をIntelが紹介
Intelは15日、データセンター向けプロセッサ「Xeon 6」シリーズで新たに対応したメモリ「MRDIMM」について説明した。既存システムとの互換性を保ちつつ、約3割の処理高速化が見込めるとしている。 サーバー用プロセッサにおいては、コア数の増加に対してメモリ帯域幅が追いついておらず、特に高負荷なHPC処理においてボトルネックになっているという。Intelではパートナー企業とともに、このボトルネック解消に向けた開発を数年間進めてきた。 これまで用いられていたRDIMM(Registered DIMM)などでは、パフォーマンスと容量の確保のため、メモリランクが2ランクとなっていることが多いという。メモリランクはモジュール上のDRAMをまとめた動作単位だが、複数のランクがある場合、同時にアクセスすることができないため、ボトルネックとなってしまっていた。 Xeon 6が新たに対応したMRDIMM(Multiplexed Rank DIMM)では、DRAMモジュールにマルチプレクサを搭載することで、両方のメモリランクに同時にアクセス可能とした。ボトルネックの解消により、帯域幅が約2倍向上すると説明している。 一方、コネクタやフォームファクタはRDIMMと共通で、CPUが対応していればマザーボードの変更が必要ないのも特徴。RDIMMと同様のエラー訂正や信頼性なども備えている。 Intelの説明によれば、Xeon 6搭載の同一システムを用意し、一方にMRDIMM、もう一方にRDIMMを装着したところ、前者の方が33%処理の高速化が図られたという。
PC Watch,宇都宮 充