世の中が大変化しても「成功できる子」が育つ家庭と育たない家庭のたった1つの違い
親の成功体験が子どもを不幸に陥れる!?生成AIの台頭により5年後には今ある職業の2割が消えると言われる時代、親は何を目指して子どもを育てればいいのか。そして本当の「頭のよさ」とは――。子どもの未来への不安を払拭する、きれいごと抜きの実践的子育てを提言。本稿は、富永雄輔『AIに潰されない「頭のいい子」の育て方』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● 未来の予測が困難で 「正解」が見えない時代 私が経営している塾の子どもたちを見ていると、幼いなりに彼らは「変わりゆく世界」にしっかりついて行っています。特別な説明を受けるまでもなく、彼らにとって世の中はどんどん変化するのが当たり前であって、確実なものなどありません。 現に、今の時代についてVUCA(ブーカ)という言葉で語られるのを聞いたことのある人も多いでしょう。VUCAは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字。変化が目まぐるしく、未来の予測が困難で、「正解」の見えない時代であることを、一言で表しています。 問題は親世代です。 世の中は変化することを理解しつつも、「だからこそ、変化に負けない確実な職業を」などと考えている人が多いのです。 とくに、50歳近くともなると、弁護士だったり、公認会計士だったり、大企業の役員クラスに上り詰めているような人だったりは、同窓会に行けば「確実な仕事に就いている成功者」として扱われているはずです。つまり、遠からずAIに淘汰されてしまう職業にもかかわらず、いまだに「価値のある仕事」と思っているし、思われているわけです。
● 我が子をミスリードする エリートの親たち しかし、確実な道を歩もうとすることは、これからの時代、崩れゆく崖を歩くのと同じで、リスク以外のなにものでもありません。 にもかかわらず、まだ30代であっても、そうした発想転換ができていない人がたくさん見受けられます。 彼らは、子どもたちが鋭い肌感覚で進もうとしているのに、その道を理解できず、自分の価値観の古さに気づかず、良かれと思って我が子をミスリードしてしまいます。 私の塾では、親子揃っての面談をよく行います。加えて、子ども本人とだけ話すこともあるし、親からの相談を受けることもあります。要するに、子どもたちの傾向と親たちの傾向の両方がわかっています。 そうした経験を通して強く感じるのは、「一部の“わかっている親”だけが、相当先を走っている」ということです。 大半の親は、我が子の将来どころか、今はそこそこ稼げている自分の数年後がとんでもないことになっている可能性についてさえも、大甘な認識しか持っていません。 一方で、かなり鋭い親はすでに動き始めており、結果的に、子どもたちに大きな格差がついてしまうだろうと思えるのです。