頭文字Dファン歓喜? トヨタ「AE86」の新エンジン搭載車に乗ってわかったこと
クルマのサブスク「KINTO」が展開する「特選旧車レンタカー」のラインアップに2台のトヨタ自動車「AE86」(通称:ハチロク)が加わった。アニメ『頭文字D』の主役としておなじみの、あのクルマだ。見た目は昔ながらのハチロクでありながら、中身は最新型のエンジンと電気自動車(BEV)のシステムで蘇らせたという2台のハチロクは、どんな乗り味なのか。両方とも乗ってきたのだが、今回は最新エンジン搭載モデル「AE86 G16E Concept」についてお伝えしたい。 【写真】背の高いエンジンをトレノに載せるのは大変だった? ボンネットの中を写真で確認
■なぜAE86が復活? 今回乗ったのは、1980年代に若者から絶大な人気を博したトヨタのFRライトウェイトスポーツモデル「AE86」をベースに、トヨタが自らの手でパワーユニット(PU)を最新型エンジン「G16E」に載せ替えたコンバージョンモデル。ベースモデルは「スプリンタートレノ」だ。
AE86といえば、現役時代(1983年~87年)に街や峠でよく見かけたのは「カローラレビン」で、筆者もレビンの方が好きだった。リトラクタブルライトのスプリンタートレノは、どちらかといえばマイナーな存在だったと思う。それが、漫画・アニメの『頭文字D』に主役として白黒パンダのトレノ(そのドアには主人公が“秋名山”のワインディング、特にダウンヒルを最速で駆け抜けて豆腐を配達したという「藤原とうふ店」の店名が書かれている)が登場したことで人気は逆転。そんな背景もあって、AE86の中古価格は高騰中だ。 トヨタはトレノとレビンの合計で13.69万台のAE86を生産(トヨタ調べ)したそうだが、国内ではそのうちの1.3万台がまだ“生存“しているという。ただし、当時搭載していた1.6L(テンロク)の「4AG」型エンジンは、チューニングや激しい使い方のせいで状態のいいものが年々少なくなっている。そこでトヨタでは、ハチロクに長く乗り続けてもらうための新たな選択肢を探るべく、中身を最新エンジンとBEVに載せ替えた2台のハチロクを開発した。KINTOを通じてなるべく多くのユーザーに試乗してもらうことにより、PUコンバージョンの事業化の可能性も探っているそうだ。