頭文字Dファン歓喜? トヨタ「AE86」の新エンジン搭載車に乗ってわかったこと
インテリアはBRIDE製バケットシートを奢ってある。ステアリングは藤原拓海が愛用していたイタルボランテの「アドミラル」ではなく、ナルディのスポーツタイプでディープコーンのものを装着。シートベルトを締めても手が届きやすい仕様になっていた。
■街を走ると注目度抜群! みんなが笑顔になっていた さっそくG16Eに火を入れて駐車場を出る際には、ノンパワステの切り返しの重さと、こちらも重めのクラッチのミートポイント探しにちょいと苦労する。 一般道に出て走り出すと、このエンジンは意外や意外、低速トルクが豊富でとても乗りやすいことに気がつく。クイックシフトもスパスパとよく決まりだし、右足裏の細かな動きに正比例するハイレスポンスなエンジンと小型・軽量(980kg)のボディのおかげで、2~4速あたりを多用する街中ではスピードコントロールがとてもしやすい。
低回転域では、バランスシャフトのない3気筒エンジンのブルブルとした振動がナルディのステアリングやTRDのレザーシフトノブに伝わってくるけれども、2,000回転を超えればこっちのもの。トヨタエンジン特有のちょっとウェットな「ドリュリュリューン」というサウンドを発して、元気に走ってくれる。ホンダVTECのように高回転で乾いたような音を発するエンジンではないことは、アニメの中でハチロクとシビックが対決する場面を見たことがある人には言わずもがなかもしれないが、まさにあの音を4気筒ではなく3気筒で忠実に再現できているのは、正直エライ! さらに、リアに装着したLSD(リミテッドスリップデフ)とウルトラハイグリップではないタイヤのおかげで、軽くアクセルを踏みながら交差点を曲がっただけで「キュキュキュッ」という音とともにリアタイヤが滑る。もう、ルームミラーを見なくても、自分のほっぺが緩んでいるのがわかる。 街中だけの1時間半ほどの試乗だったので、秋名山の下りのように、イン側の溝にタイヤを引っ掛ける「溝落とし」や「インベタ」のインを差す4輪ドリフトなどを体験したわけではないけれども、普通に交通法規を遵守して走っているだけでも楽しい。信号で止まると、佐川急便のお兄さんはこちらを見てニコニコしているし、二輪に乗る青年は笑顔で親指を立ててサムズアップ。隣に止まった「アルファード」のおじさんは、わざわざ窓を開けて挨拶までしてくれるではないか。やっぱりみんな、このクルマを知っているのだ。