「子どもの頃は嫌いだった」農場2代目の女性が宿泊施設を開業 構想練って13年“農業×ホテルの宿”
特集は念願の宿泊施設を開いた農家の女性です。施設のアピールポイントは地元食材をふんだんに使った料理。子どもの頃は嫌いだった農業を受け継ぎ、海外のホテル勤務の経験も生かそうと奮闘しています。
野菜の素揚げやナムルがたっぷり乗ったランチプレート。 客: 「おいしい」
窓からは風越山や飯田の街並みが一望できます。 市内から: 「素材の味がゆっくり楽しめておいしかったです。こんな良い所があったなんて、自慢ですね」
こちらは2023年11月、飯田市下久堅にオープンした「Cider Barn & more(サイダー バーン アンド モア)」。 サイダーバーンはイギリスで「農家民泊」を指す言葉です。 宿泊だけでなく1階のラウンジスペースでカフェ営業もしています。
Cider Barn & more・殿倉由起子さん: 「こちらがいろいろなキノコの佃煮、うちで作ってるシメジも入っているので」 営むのは殿倉由起子さん(40)。 リンゴやブナシメジを栽培する農場の2代目です。 Cider Barn & more・殿倉由起子さん: 「皆さん『おいしい』って言ってもらえることがすごく私としてもうれしいし、シメジ、リンゴ、そのほか野菜も作ってるけど、そういったことを知ってもらえるとうれしい」 宿は農業と地域の魅力を発信する場となっています。
農場の長女として生まれた殿倉さん。子どもの頃は農業が好きではありませんでした。 殿倉由起子さん: 「小さい頃から働かされたり、お手伝いをさせられたりとかということがすごく嫌で」
英会話を習っていた殿倉さんは中学生の時に3週間、ホームステイでイギリスを訪れました。 街並みなどが気に入り高校卒業後、イギリスの大学に進学。インターンシップではホテルを選び、そのまま就職しました。 殿倉由起子さん: 「(ホテルでは)いろんなところから来る、そういう方々との話を聞いたり、実際に来てもらって喜んだ姿を目の前にすることがすごく楽しかったです。自分で大好きだな、天職だなって思っていたけど、それがあったからこそ今、こういった宿泊やりたいなと思ったので、それが今につながってるかな」