「子どもの頃は嫌いだった」農場2代目の女性が宿泊施設を開業 構想練って13年“農業×ホテルの宿”
祖母が亡くなったため帰国し農場を手伝いましたが、再び都内のホテルで働きホテルマンだった健一さんと結婚しました。
転機が訪れたのは2011年。「そろそろ後継者を」と考えていた父親から説得され、飯田に戻ることを決意したのです。 夫の健一さんが農業をやりたかったことに加え、自身も「あること」に気づいたことが決め手となりました。 殿倉由起子さん: 「(イギリス時代に)今まで当たり前のようにおいしい野菜、果物を食べていたこと、それがすごく大事なことだったと思いました。イギリスに出たことによってこの飯田の良さを学んだことが一番大きい。農業をやるのであれば地元がいいなと私は思っていた」
2月19日、飯田市・太陽農場―。 殿倉由起子さん: 「ここ一番初めに初期培養といって、菌をつけて培養させていく場所になります。だいたいここで60日くらいですかね」
殿倉さんは2023年1月、亡くなった父の跡を継ぎ、「太陽農場」の2代目に。 農場はブナシメジの他、リンゴやアスパラガスを栽培しています。
本格的に農業に携わって13年。殿倉さんは2023年、温めてきたアイデアを形にしました。 殿倉由起子さん: 「南信州、伊那谷って野菜・果物があふれている場所。来てもらって食べてもらうことによってこんな野菜もあるんだ、こんなフルーツもあるんだ、こんな食べ方があるんだということを知ってもらいたいな」
好きだったホテルの仕事と再発見した農業・農産物の魅力。 二つ合わせて挑もうと練ってきたのが「体験型宿泊施設を開業する」というアイデア。 建物は敷地の最も見晴らしの良い場所に建てました。
冬は実施していませんが季節に合わせて野菜の収穫体験なども行っています。 そして、料理に使う食材は農場や地元の農家で採れた野菜が中心です。 殿倉由起子さん: 「自分たちが作った野菜、地元産の野菜を使うようにしています。いかに野菜のおいしさを伝えられるかを考えて出してます」 野菜ソムリエの資格も取得―。