【ごみ屋敷清掃芸人に聞く】ごみの山の上を子どもが歩く「物屋敷」、「生ごみ屋敷」など、衝撃の「ごみ屋敷」の実態
今までの経験の中で一番きついと感じたごみ屋敷は?
『ごみ屋敷ワンダーランド』では壮絶なごみ屋敷との闘いが描かれています。強烈な臭い、這いまわるゴキブリ、尿をペットボトルに入れて保管している「尿ぺ」屋敷など、想像するだけでゾッとするようなごみ屋敷も。柴田さんにとって今まできつかったごみ屋敷はなにかを聞きました。 「一番きついのは、『生ごみ屋敷』に多いゴキブリ。本にも書きましたが、ゴキブリだけはどうしても克服できないので、ゴキブリが出ると10分で梱包できるところが、50分かかってしまうなど、作業時間にも影響が出ちゃうんです。 ギャーッと驚くたびに毎回腹筋や腰も痛めそうになるし(笑)、負担が一番大きいのはゴキブリだなって気づきました。 ゴキブリが出てきた時の対応はケースバイケース。一軒家で周りに何もない、すでに人が住んでいない戸建住宅だったら殺虫剤を使いますが、集合住宅だと逃げ出してしまうので、殺虫はせずに、ゴキブリが這いまわる中で片づけをしています」 「怒りで許せないと思ったのは『猫屋敷』です。僕自身が猫を飼っていることもありますが、飼育放棄でごみ屋敷化した猫屋敷の現場は、本当にいろいろなことを考えさせられました。 臭いがきついのは『生ごみ屋敷』。最近勉強しているのですが、認知症の方の中には嗅覚と認知の接続が難しくなる場合もあるらしく、すごく臭くても、何の臭いだろう?とか、生ごみが腐っていることに直結しないようなんですね。 認知症の方のごみ屋敷では使用済みのおむつも出てきますが、おむつの臭いが排泄物だと思わない、臭いが発生していても気づかない状態になってしまっているらしいんですよ。 『弁当がら屋敷』は、中身は食べているし、汁まできちんと飲み干している人もいたので、そこまで強烈な臭いがなく、僕らにとっては比較的楽ですね。 中には、ペットボトル、弁当がらときちんと分別して、めちゃめちゃ整頓されているキレイなごみ屋敷もありました。ランクづけすると完全にS級ごみ屋敷でほめたいくらい! 僕の感覚が麻痺しているというか、単純にごみ屋敷愛好家みたいになっちゃっているからかもしれませんが(笑)」