【大人のグルメ旅】西武鉄道の臨時列車に乗ったらシンガポールに着いた話
最後の〆は「ボボチャチャ」。いわゆる甘いココナッツミルクに、タピオカやタロイモ、サツマイモなどが入ったやさしい味わいの冷たいデザートです。スパイシーなシンガポール料理をさっぱり流してくれる、最高に美味しい一皿でした。
おいしい料理の余韻に浸ってのんびりしているうちに、「52席の至福」は東京・西武新宿駅に到着。幸福な列車旅はここで幕を閉じました。たった3時間とはいえ、素晴らしく濃密で優雅な時間を過ごせました。
西武鉄道とシンガポールの関係は?
ところで、そもそもなぜ西武鉄道とシンガポール政府観光局がコラボするに至ったのか。気になりますよね。 今回、同乗していたシンガポール政府観光局の北アジア局長・セリーン・タン氏によれば、「日本人が海外旅行をする際に重視するのは食。今回の『52席の至福』をはじめとした西武鉄道との協業を通じてシンガポール料理の魅力発信を行うことで、日本人のシンガポールへの観光誘致を目指したい」とのこと。 一方の西武鉄道では、より多くの訪日シンガポール人旅行客を獲得したい考え。実は日本を訪れるシンガポール人旅行客数は、東南アジア6カ国の中で、タイ、フィリピンに次ぐ第3位ながら、一人あたりの消費額は東南アジアで最高。しかもリピーター率が高いという特徴もあるため、同鉄道では、西武線沿線の魅力をシンガポール人旅行客に継続的に発信していくそう。
なお、この「52席の至福」では、2025年1月~3月にかけて、東京・日本橋の星付きフレンチレストラン『nol』のシェフ・野田達也氏が監修する創作シンガポール料理を提供する予定。 このために野田氏は実際にシンガポールを旅し、多様な文化や料理に触れてきたとのことで、その体験を、創作料理に落とし込むそうです。これまた楽しみですね!
●DATA 「52席の至福」 ・ブランチコース 池袋もしくは西武新宿⇒西武秩父(約2時間半~3時間) 旅行代金:税込1万5000円(乗車チケット・西武線1日フリーきっぷ・コース料理・お土産など) ・ディナーコース 西武秩父⇒池袋もしくは西武新宿(約2時間半) 旅行代金:税込1万8000円(乗車チケット・西武線1日フリーきっぷ・コース料理・お土産など) ※詳細・予約は公式サイトよりご確認を
取材・文◎田代智久