【大人のグルメ旅】西武鉄道の臨時列車に乗ったらシンガポールに着いた話
これまでフレンチやイタリアン、中国料理の名店の錚々たるシェフが監修してきたこの「52席の至福」ですが、この8月21日に、西武鉄道とシンガポール政府観光局が初コラボ。「52席の至福×シンガポールトレイン」という特別列車を走らせました。これに乗るべく、わざわざ秩父までやって来たというわけです。 この日は、シンガポール政府観光局とのコラボということで、シンガポール料理のスペシャルコースが用意されました。 今回、料理を監修したのは水道橋で約20年前に創業したシンガポール料理の草分け的レストラン『シンガポール海南鶏飯』。ベタな表現ですが、「絶対おいしいヤツ!」という期待しかありません。
まずは前菜として、「シンガポール前菜盛り合わせ」のプレートが恭しく提供されました。「シンガポールサテー」、「ロティプラタwithカレーソース」、「シュリンプカクテル プラナカンソース」、「アチャー」の4種が盛り付けられています。
おなじみ肉の串焼き・サテーも、中国系とマレー系の文化が融合したプラナカンソースでいただくシュリンプカクテルも、すべてが本格的で非常に美味。食堂車という概念がほぼ消えた日本にあって、車窓を流れる美しい風景を眺めながらいただく異国の味わいは、まさに至福です。
前菜の次はスープが運ばれてきました。「肉骨茶」(バクテー)です。かつて東南アジアの港湾地帯で肉体労働をしていた中国人が滋養強壮のために考案したとされる料理。豚のスペアリブをニンニクや胡椒、ハーブなどと一緒にコトコト煮込んだスープです。
ズッとひと口すすると、シンプルながら体の隅々まで染み入るような滋味深い旨さ。添えられた揚げパン「油條」ともピタリと合います。 列車は途中の飯能駅で進行方向を変えるのですが、その際、駅員さんたちが手を振って歓迎してくれます。なんとも嬉しいおもてなしです。
メインはおなじみ「シンガポールチキンライス」。蒸した鶏肉とチキンスープで炊いたご飯の組み合わせは、いつ食べても間違いないですね。さすが『シンガポール海南鶏飯』が監修しているだけあって、鶏肉はやわらかく、ご飯の炊き加減も完璧です。 ソースは「チリソース」、「ジンジャーソース」、「ダークソーヤソース」の3種類。これをちょこちょこ鶏肉やご飯にのせて、味変しながら楽しみます。いやー、ウマい!