益子直美さんが主催するスポーツ大会「監督が怒ってはいけない大会」。子どもたちの成長に本当に必要な指導とは?
なかでも監督と子どもたちの一体感が素晴らしかったのは、チーム「上田ジュニア」。相手は長野県屈指の強豪チーム「湖南(こなみ)バレーボールクラブ」でしたが、上田ジュニアのメンバーは善戦を見せます。 終始押され気味ではあるものの粘り強く得点を重ねます。点を取るたびにハイタッチで盛り上がり、上田ジュニアのボルテージがどんどん上がっていくのが伝わってくるほど。結果、第1セットは湖南バレーボールクラブが取るものの、第2セットは接戦の末、上田ジュニアが取ることができました。 メンバーも監督も大満足の結果に終わったようです。 試合後、子どもたちに感想を聞くと「点を決めたときに監督やコーチがハイタッチしてくれたので、うれしい気持ちになれた」「いつも怒られていたけど、今日はそれがなくて楽しくプレーできました」とうれしそうに話します。
監督の関口大輔(せきぐち・だいすけ)さんにもお話を伺いました。 ――得点が入るたびに立ち上がって喜んだり、ハイタッチをしたりと、監督も楽しもうとする姿が印象的でした。 関口監督「今日は子どもたちに喜んでもらおうとハイタッチしてみたんですが、そうするとこちらの気持ちも盛り上がってきて、『もっと、もっと、試合を楽しもう』という気持ちになりましたね。結果、子どもたちのテンションも上がっていって、強豪校からセットを取ることができました。自分たちでも、ものすごく驚いています(笑)」 ――今回の経験が今後の指導に活かせそうですか? 関口監督「アンガーマネジメントセミナーを受けてみて、いきなり怒るのはやめようと思いました。子どもたちそれぞれの良いところを見つけて、褒めて伸ばしていきたいですね」
一方、対戦相手だった湖南バレーボールクラブは実力者揃いのチームとあって、常に冷静で「勝つこと」を見据えた印象を受けました。 ですが、試合後、メンバーからは「監督が怒らなかったので、いつもよりも伸び伸びとプレーできました」「相手のチームとお互いに盛り上がる場面もあって、楽しかったです」と笑顔で話します。