ウォーターガーベラ、兄より2歩前へ 3月定年の河内師ラストイヤー好発進狙う/シンザン記念
3日間開催の最終日、13日月曜の中京ではクラシックへの登竜門、日刊スポーツ賞シンザン記念(G3、芝1600メートル)が行われる。3月1週目で定年を迎える河内洋調教師(69)が送り出すウォーターガーベラ(牝3)は、京都金杯2着ウォーターリヒト(牡4、河内)の半妹。兄は昨年のシンザン記念で17番人気3着の激走を見せており、末脚自慢のきょうだいが師の花道に彩りを添える。 ◇ ◇ ◇ 兄より2歩前へ-。マイル戦に戻るウォーターガーベラが一発を狙う。未勝利勝ち後のここ2戦は13着、7着と連敗。しかし、河内師に悲観の色はない。 前走つわぶき賞は、たびたび進路がふさがるロスがあった。師は「ごちゃごちゃして競馬になっていないから度外視。この馬の良さを出せなかった」と振り返る。2走前のファンタジーSも不良馬場に脚を取られた上に、飛んできた芝の塊が目に当たって外傷を負った。その2戦の距離1400メートルについても「忙しすぎた。1600メートルの方がいい」と、今回は適距離に戻る。 半兄のウォーターリヒトは京都で行われた昨年のシンザン記念で3着に激走。17番人気という低評価を覆し、上がり最速35秒2の末脚で2着馬に頭差まで迫った。4歳初戦となった先週5日の京都金杯では後方一気で2着。次走に予定される東京新聞杯(G3、芝1600メートル、2月9日)では重賞初制覇が期待される。 もちろん、妹も素質は十分。師は「お兄ちゃんと一緒で、しまいがしっかりしている。体形も一緒だね」と評価する。4日の1週前追いでは、兄に負けていられないとばかりに、Cウッド6ハロン84秒4-11秒2といい伸びを見せた。「状態はずっといいよ。攻め馬とかは動くから」。態勢も十分に整っている。 名ジョッキーとしても知られた河内師は、3月1週目を最後に定年、引退を迎える。「もうええやろ」と笑いつつも、闘志は消えていない。「ガーベラのシンザン記念、リヒトの東京新聞杯で最後やね」。眼光鋭く前を見据えた。【下村琴葉】 ◆河内師のシンザン記念成績 初出走は12年ヒシワイルドで15着。その後は20年オーマイダーリン(4着)、23年サンライズピース(5着)で掲示板を確保するなど計7頭を送り出し、昨年ウォーターリヒトの3着が最高成績。騎手時代には91年にミルフォードスルーで勝利を挙げている。 ◆河内師のJRA芝マイル重賞制覇 08年関屋記念(新潟)をマルカシェンクで制している。1番人気。鞍上は福永騎手。同馬は09年京都金杯、富士Sでも2着に好走した。