米で大ヒットの映画「オッペンハイマー」 子孫らが語る原爆開発と投下から得るべき教訓とは(4)
――広島と長崎への原爆投下の必要性についてはどのように考えていますか? 私は個人として、原爆投下は必要なかったし、正当化もされないと考えています。ただ当時、その時あった情報しか知らなかった多くの人々は、戦争を早期に終わらせるために原爆投下は必要だったと本当に考えていたんだと思います。日本への上陸作戦を本当に懸念していた人々もいます。もし自分が当時その立場にあったら、彼らがそう考えてしまうのは理解できます。当時の人々は、原爆がどういうものかを全く理解していませんでした。私は必要ではなかったし、正当化もされないと考えていますが、今それを言うのは簡単だともいえます。 【ジェームズ・L・ノーランJr.さん】米ウィリアムズ大学で社会学の教授を務める。祖父のジェームズ・F・ノーラン氏は医師として、原爆開発計画「マンハッタン計画」に参加。祖父の残した資料を発見したことをきっかけにマンハッタン計画と医師たちとの関係を調査し、著書「アトミック・ドクターズ」にまとめた(邦訳版も出版)。去年長崎を訪問し、現在は長崎への原爆投下についての研究を行っている。