”裁判所所長”による「法律」も「憲法」も無視したパワハラ…日本中に蔓延する”問題の大きい管理者裁判官たち”の実態
所長からの粘着質なパワハラ
そして、3月15日と22日に事件の弁論を入れるからという私の言葉に対して、所長は、そんな弁論はほかの人にやらせるからかまわないとも答えた。有給休暇を取るなら早くやめろというのは、労働法の基本的原則違反の言葉であるのみならず、私に裁判をしないでやめろとも言っているわけであるから、裁判官の身分保障(日本国憲法第78条)の趣旨にももとる行為である。 私は、予定通り3月末に退官したいとだけ、所長に告げて執務室に戻った。机に座り、しばし呆然とした後時計に目をやると、12時25分であった。所長室は私の執務室から近いから、私は、25分近くも所長室にとどめられて押し問答をしていたことになる。 そして、その日の4時半ころ、私は、再度所長室に呼び出された。 所長は、さらに、考えを変える気はないのか、判事で退官前にそんなに有給休暇を取る人はまれであると思うが、本当にそれでもいいのかと、あたかも、私が、非常識な、あるいは裁判官の体面に関わる行為でもしているかのように、私に尋ねた。私は、申請していた休暇のうち、午後半日のものはもう提出するつもりはないと告げた。しかし、所長の態度は何ら変わらなかった。私は、自分の意向は変わらない、3月中の法廷は事件を知っている私が担当するほうがよいと思うとだけ告げて、席を蹴り、所長室のドアを後ろ手に閉めて自室に戻った。 なお、前記の所長の言葉のうち「判事で退官前にそんなに有給休暇を取る人はまれである」というのは正しくない。実際には、退官前にまとまった有給休暇を取得する人は結構おり、10年間に1回取得できることになっている10日以上連続の有給休暇(海外旅行に利用されることが多い)を取得する人もいると、後から先輩に聴いた。結局、私が退官の事実を裁判所部内の人間になら告げてもよいと言われたのは、2月17日のことだった。そして、先の所長は、私の退官を待たずに、他の裁判所に異動していった。