“紀州のドン・ファン”元妻『無罪』判決にすすり泣き 異例の長期裁判「犯行に合理的疑い残る」 控訴で判決変わる可能性「ないとは言えない」と菊地弁護士
■判決後「すごく苦労した」と裁判員 検察は「判決文の内容を精査し、適切に対応」とコメント
須藤被告への判決の後、記者会見に応じた裁判員は…。 裁判員(20代・会社員):今回の裁判、期間が長いというのと、証人の数も多いですし、証拠の数も多いので、それを全て吟味した上で判決を出すのは、すごく苦労した点かなと思います。 一方、和歌山地検は「検察官の主張が受け入れられなかったのは残念である。今後については、判決文の内容を精査し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい」とコメントしている。
■検察控訴の場合 判決が変わる可能性「ないとは言えない」と菊地弁護士
裁判では、覚醒剤を買ったことそのものも認定されなかったということで、これが判決に与えた影響は大きかったのだろうか。 菊地幸夫弁護士:大きいですね。今回の事件では、覚醒剤は被害者の命を奪う凶器みたいなものですから、それが凶器じゃなかったかもしれないということになる。あと誤飲の可能性があるという、これも大きいと思いますけれども、入口の点は大きいと思います。 無罪判決について、菊地弁護士は次のような印象を述べた。 菊地幸夫弁護士:もともと直接証拠がない、直接証明するものがなく、本体の周りを埋めていくという作業をしなければいけない難しい事件だったんです。そこが埋めきれなかった。周りを全部埋めて、中心を認定してもいいでしょうというレベルまでいかなかったという、簡単にいえばそういう判決ですね。 菊地幸夫弁護士:ただ見方として、一つ一つを見れば『検索履歴』だけじゃ犯人じゃない。だけど全体をつなげてみれば、覚醒剤も買いに行ってる、検索もしている、実行するチャンスもあったというような、いろんな見方ができる。この判決は全体の見方というよりは、むしろ個々のものを判断してという印象が強いなと私は思います。だから何を言いたいかというと、裁判官が変わればまた別の判断もあり得るかもしれないです。 今後の検察の控訴の可能性について、新たな証拠が出てこなかったとしても、高裁で判決が変わる可能性というのはあるのだろうか。 菊地幸夫弁護士:ないとは言えないと思います。ものの見方の考えの違いで、違う結論が出る可能性はないとは言えないと思います。