祖父は75歳ですが「ボケ防止にまだまだ働く」と言っています。給与があると年金が「支給停止」になると聞いたのですが、大丈夫なのでしょうか…?
在職老齢年金で全ての年金が支給停止になる訳ではない
在職老齢年金で特に多い勘違いは「基本月額には全ての年金が含まれる」と考えているケースです。基本月額は老齢厚生年金の報酬比例部分の月額であり、国民年金や厚生年金の加給年金は含まれません。 そのため在職老齢年金制度により厚生年金が一部支給停止になっても、国民年金や加給年金部分は支給停止されません。加給年金部分だけは厚生年金が全額支給停止になれば支給停止されます。
どのくらいの人が年金の支給停止になっているのか
在職老齢年金の制度により支給停止になる人は決して多くありません。2018年度末時点での65歳以上の支給停止対象者の割合は在職受給権者の17%、そのうち全額支給停止の対象者は8%です。そもそも基本月額+総報酬月額相当額が50万円を超える収入は年収換算で600万円以上です。高齢者の平均所得212万円を大きく上回っています。
まとめと注意点
在職老齢年金の制度は厚生年金受給額が多かったり、65歳以降も高報酬だったりする人が該当しやすい制度です。70歳以上で厚生年金に加入していなくても厚生年金の適用事業所に勤務している場合は対象になりますし、在職老齢年金により支給停止されるなら年金を繰り下げようと考える人もいますが、支給停止された年金額は繰下げ加算の対象から外れるので注意が必要です。 出典 日本年金機構 在職老齢年金の計算方法 厚生労働省 年金制度の仕組みと考え方 第10 在職老齢年金・在職定時改定 内閣府 令和5年版高齢社会白書(全体版)第1章 高齢化の状況 内閣府 令和5年版高齢社会白書(全体版)第2節 高齢期の暮らしの動向 1 就業・所得 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部