バスや電車がお得になる「敬老パス」ってどんなもの?川崎市、名古屋市、札幌市の3市を例にサービス内容を紹介
自治体の敬老パスのサービス内容
自治体ごとの敬老パスのサービス内容を紹介します。敬老パスは乗車賃の割引や無料が基本的なサービスですが、なかには独自のサービスを展開している自治体もあるようです。 川崎市、名古屋市、札幌市の3市を例に、サービス内容を紹介します。 ●川崎市 川崎市の敬老パスは、2種類のパスに分かれるのが特徴です。申請すれば無料で作成できる「高齢者特別乗車証」では、市内バスの運賃が半額になります。 さらに、負担金を別途支払うことで、期間中は無料でバス乗車ができる「高齢者フリーパス」の発行も可能です。 高齢者特別乗車証は、市から書類が届くため、それを記入・返送して手続きします。電子マネーの「Suica」や「PASMO」に付帯させる形でつくるため、乗車証発行にはSuicaやPASMOの発行が必須です。 一方、高齢者フリーパスは「川崎市内にあるバス事業者の券売所・営業所」か「川崎市内にある郵便局」に出向いて購入する必要があります。負担金の金額に応じて、無料で使える期間が決められています。 ・1ヶ月無料:1000円 ・2ヶ月無料:2000円 ・3ヶ月無料:3000円 ・6ヶ月無料:6000円 ・12ヶ月無料:1万2000円 なお、JRなどの鉄道では敬老パスの利用はできません。 ●名古屋市 名古屋市の敬老パスは、少ない負担金で無料乗車ができる点や65歳になれば申し込める点など、他の自治体にないメリットがあるのが特徴です。 名古屋市の敬老パスの負担金は1000~5000円で、所得金額に応じて負担金額が決まります。 また、敬老パスを電子マネーとして買い物や乗車賃の支払いなどで使えます。チャージできる金額は2万円までです。電子マネー機能の付帯により、無料乗車できない区間のバスや鉄道を使ったとしても、敬老パスで運賃を精算できます。 ●札幌市 札幌市の敬老パスは、負担金額に応じてポイントがチャージされ、チャージポイント分だけ市バスや地下鉄の乗車ができます。 ・負担金1000円:チャージ額1万円 ・負担金3000円:チャージ額2万円 ・負担金6000円:チャージ額3万円 ・負担金8000円:チャージ額4万円 ・負担金1万円:チャージ額5万円 ・負担金1万3500円:チャージ額6万円 ・負担金1万7000円:チャージ額7万円 最大7万円までの残高が利用できるため、頻繁にバスや地下鉄を使う人におすすめといえます。 なお、札幌市は2025年度以降に敬老パスの機能を拡張する予定です。街の事業参加や運動などでポイントを獲得し、そのポイントを交換することで公共交通機関が利用できるようになります。 また、市バスや地下鉄以外にJRやタクシーも利用対象とするとのことです。 一方で、チャージ額の上限を7万円から2万円に引き下げることも検討していますが、これに関しては反発の声があったのか、上限を4万円までとする形で調整しているようです。